富士フイルム株式会社(社長:中嶋成博)および富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社(社長:真茅久則 以下、FFGS)と、Heidelberger Druckmaschinen AG(会長兼最高経営責任者:ゲ-ロルト・リンツバッハ 以下、ハイデルベルグ社)は、枚葉インクジェット印刷機として世界最大※1 のB1用紙サイズに対応した次世代インクジェットデジタル印刷機を共同で開発しました。
B1枚葉インクジェットデジタル印刷機「プライムファイア106」をdrupa2016に出展
2016年5月31日よりドイツ・デュッセルドルフで開催される世界最大の印刷機材展示会drupa2016(ハイデルベルグ社ブース)に、共同開発したプロトタイプを、ハイデルベルグ社 「Primefire 106(プライムファイア106)」として出展、マーケットリーダーとして業界をさらに牽引していきます。
富士フイルムおよびFFGSとハイデルベルグ社は、2013年11月に、デジタル印刷市場で拡大が期待されるインクジェットプリンティング分野での業務提携を開始。両社の研究開発力を結集した前例のない新しい協力体制は、わずか2年足らずで画期的な新製品を生み出すことに成功しました。
ハイデルベルグ社CEOのリンツバッハは「富士フイルムとハイデルベルグは世界初の本格的B1インクジェットデジタル印刷機を記録的短期間のうちに開発することが出来ました。」と語っています。
さらに「両社のパートナーシップは富士フイルムのインクジェットのコアテクノロジーを合同で精査したのを皮切りに、その後2年を経た今もなお、ハイデルベルグにとって富士フイルムはベストパートナーであると確信しています。 このような緊密な協力体制が確立したお蔭で、私どもは、新しいデジタル印刷システムをdrupaにおける私どものコンセプト“スマートプリントショップ”に完全に統合した形で展示できることにあらためて感謝しております。」と続けています。
オフセット印刷に匹敵する安定性と信頼性、そして高品質を実現
今回共同開発した印刷機は、枚葉インクジェット印刷機として世界最大のB1用紙サイズに対応し、紙器パッケージを中心にポスターやカレンダーなどの印刷にも適しています。
また、シングルパス方式※2 での高速印刷を可能とする富士フイルム独自のインクジェットヘッド技術「SAMBATechnology」※3 とインク中の顔料を高速に凝集させるRAPIC(ラピック)技術※4 を搭載。
滲みのないシャープさと、独自の4階調変調方式 ※5による階調再現性で、高密度かつ高精細な描写を実現します。
さらに、富士フイルムが新開発した7色※6の水性顔料インクは、ハイデルベルグが提供するニスコーティング技術と共に、業界最高レベルの幅広い色域を実現するだけでなく、食品包装や医薬品の紙器パッケージに適した安全性を兼ね備えています。
こうした富士フイルムのインクジェット技術が、ハイデルベルグが持つ世界最高水準の印刷機製造技術とシステム統合技術に組み合わされたことにより、オフセット印刷に匹敵する安定性と信頼性、そして高品質をもたらしました。
またこの新B1インクジェット印刷機が、ハイデルベルグ プリネクトデジタルフロントエンド(プリネクトDFE)で制御されることにより、スムースなワークフローへの統合も可能にしました。
ハイデルベルグは、drupaのホール1のハイデルベルグブースにおいて、この新たなB1インクジェット印刷機を展示し、その可能性を余すことなく紹介します。同時に戦略的パートナーである富士フイルムは、同じホール1において、幅広いインクジェット技術の展示を行う予定です。
今回発表した次世代インクジェットデジタル印刷機は、drupa2016後に市場テストを進め、2017年後半に、両社の販売網を通じて発売する予定です。
※1 シングルパス方式の枚葉インクジェット印刷機として世界最大。富士フイルム調べ。
※2 記録媒体(用紙)に対してヘッドを1回だけ走査させて印刷を完成させる方法。印刷スピードが要求される業務用印刷に向いている。
※3 プリントヘッドをモジュール化し、プリントヘッドの長尺設計を容易にすることで、シングルパス方式で大サイズの高速印刷を可能とする、米国FUJIFILM Dimatix Inc.(フジフイルムダイマティックス社)の技術。
※4 Rapid Pigment Coagulation Technologyの略称。インク中の顔料を高速凝集させることによって、インクのにじみを防ぎ、高精細な画像の再現を可能とする技術。
※5 4段階の異なる大きさの点(印刷なし/小点/中点/大点)を組み合わせて、よりなめらかな階調で画像を再現する方式。
※6 シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、オレンジ、グリーン、バイオレットの7色。