ドイツ・プライベートショーでふたつのワールドプレミアを紹介
ハイデルベルグ社(本社:ドイツ、ハイデルベルク市)は、2015年3月初旬、ウィスロッホ工場において、「収益性と効率性にすぐれた小ロット印刷」と銘打ったプライベートショーを開催しました。
このプライベートショーでは、世界初となるふたつの革新的テクノロジーを披露。ひとつはスピードマスターXL75アニカラーの8色両面兼用印刷機で、もうひとつは新たにUV印刷機能を搭載したスピードマスターXL75アニカラーの5色機(コーティングユニット付)です。
スピードマスターXL75アニカラーに両面印刷機とUV印刷機が新たにラインアップ
スピードマスターXL75アニカラーに両面印刷機とUV印刷機を新たに加えることで、小ロットの仕事をさらにコスト効率良く処理できるようになりました。スピードマスターSX52アニカラーについては、すでに2008年に両面兼用印刷機が、2010年にはUV印刷機が発売されています。
スピードマスターXL75アニカラーはdrupa2012でデビューを果たし、一般商業印刷会社はもちろん、パッケージ印刷会社でもその価値を認められてきました。キーレスインキング装置アニカラーは、迅速なインキングで、刷り出し時の損紙がわずか20枚で済むため、導入したお客様からは「損紙を最大で90%削減できる」「前準備時間が大きく短縮できた」と高く評価されています。
卓越した柔軟性を提供するアニカラーの多色両面兼用印刷機
用紙の表裏を1回通しで印刷する両面印刷機能を利用すれば、生産性は最大限に高まります。またアニカラーを利用すれば、損紙の削減と前準備時間の大幅な短縮が可能となります。このふたつの機能を兼ね備えたスピードマスターXL75アニカラーなら、両者のメリットを1台の印刷機で存分に享受でき、納期を大幅に短縮できます。
すでに1号機は出荷済みで、今回ご紹介した8色両面兼用印刷機もいつでもお客様にお届けできる完璧な状態です。
スピードマスターXL75アニカラーはモジュラー設計のため、4/4色両面兼用印刷機からコーティングユニット/乾燥ユニットを備えた多色両面兼用印刷機まで、仕事内容にあわせて柔軟なユニット構成が可能です。このような多色両面兼用印刷機に関心を示すのは、主に先進国で多種多様な印刷物を生産している一般商業印刷会社です。
ただスピードマスターXL75アニカラーはパッケージ印刷にも理想的な機能を有しているため、この市場でも素晴らしい活躍が期待できます。たとえば、箱の内側を特色で印刷し、用紙を反転した後、外側に6色印刷を施す様なパッケージの生産は興味深いチャレンジとなるでしょう。 このような仕事においてアニカラーはその力を最大限に発揮し、素晴らしいベタ濃度で私たちを魅了するはずです。
さらなる納期短縮と多彩な表面仕上げで高付加価値印刷を実現するアニカラーとUV印刷機能の統合
現在、スピードマスターXL75の4台に1台はUV印刷機として納入されています。このため、スピードマスターXL75アニカラーにもUV技術の移植が進められてきました。現在、ウィスロッホ工場では、著名な顧客による社内テストが行われており、順調にゆけば、初出荷は本年末になる予定です。
UV印刷の主な市場は欧州、米国、日本で、一般商業印刷会社、パッケージ印刷会社、特殊印刷会社がお客様です。UV印刷機は、吸収性素材でも、非吸収性素材でも印刷が行え、デリバリに到着した用紙はすでに硬化・乾燥しているため、即座に後工程に回すことができます。
アニカラーとUV機能を組み合わせると、アニカラーの損紙削減効果はさらに大きくなります。特にフィルムなどの高価な素材を扱う特殊印刷会社にとっては、大幅なコスト削減が可能になります。
前準備の迅速化とUVならではの速乾性能によって、納期はさらに短縮でき、特殊印刷市場でもWeb to Printのようなビジネスモデルが構築できます。またUV印刷は様々な表面仕上げに適しているため、他社との差別化や高付加価値製品の提供が可能になります。
小ロット印刷をコスト効率良く処理するアニカラー
ハイデルベルグは今回のプライベートショーで「極小ロットの仕事をコスト効率良く処理するためには、どのような印刷機が必要なのか」をお客様に理解いただけたのではないかと思っています。
そのためにスピードマスターXL75アニカラー/SX52アニカラーの他、オペークホワイトやニスといった新しい印刷アプリケーションにも対応したデジタル印刷システム「ライノプリントCP」「ライノプリントCV」も展示しました。
オフセット印刷技術とデジタル印刷技術の組み合わせは印刷会社に計り知れない可能性を提供します。