- オフセット印刷機とデジタル印刷機を柔軟に使い分ける統合ワークフローを提唱
- デジタル技術への積極的な投資:多用途性、統合ワークフロー、新しいアプリケーションを兼ね備えた先進的なデジタルソリューションを提供
- ビジネスパートナーとのコラボレーションによって開発スピードを一段と加速化
- 富士フイルム株式会社の技術を応用したデジタルラベル印刷機を今秋に発表予定
- インクジェット方式の商業印刷/パッケージ印刷市場向けシステムの開発にも着手
- 株式会社リコーとのパートナーシップがデジタル市場を牽引:400台以上のライノプリントC・デジタル印刷システムを販売
- 新開発の4D 印刷ソリューションが潜在需要を喚起
ハイデルベルグ社(本社:ドイツ、ハイデルベルク市)は、オフセット技術とデジタル技術を同じワークフローのなかで柔軟に使い分けられる新しい印刷環境を顧客に提供いたします。
統合化された新しいワークフローには、分かりやすいユーザーインターフェイスを搭載し顧客の利便性を高めています。ハイデルベルグ社のデジタル関連製品は、印刷機から、消耗品、ソフトウェアまで広くカバー、サービスもあらゆる市場分野を対象とし、その範囲はますます拡大しています。
研究開発費の約1/3をデジタル製品の開発に投入
こうした成長のひとつとして、ハイデルベルグ社は株式会社リコーや富士フイルム株式会社を含む、著名な企業とのコラボレーションを積極的に推進しており、ハイデルベルグ社では、現在、研究開発費の約1/3をデジタル製品の開発に注いでいます。
これは印刷業界での成功に不可欠な様々な要因、例えば、新しいビジネスモデルの構築、最大限の多用途性、革新的な技術による徹底した統合ワークフローなどを重視するハイデルベルグ社の姿勢を示すものです。
オフセットとデジタルを統合したソリューション提供が強み
デジタル技術に対するこうした施策について、ハイデルベルグ社のCEO であるゲーロルト・リンツバッハは次のように語っています。
「印刷業界の様々な市場分野に対して、オフセット印刷技術とデジタル印刷技術の統合ソリューションを提供できるのは当社だけの特長です。
そして、このことは次世代への過渡期にある市場分野のなかで、これまで通り、顧客からビジネスパートナーとして選択していただきたいという当社の方針を反映するものです。またデジタル印刷分野への進出の一部として、デジタルインクジェットなどの技術にも投資してまいります。
さらに、3次元物体への印刷についても研究を進めています。この結果、ハイデルベルグ社は近い将来、全く新しい市場分野に踏み込んでゆくことになるでしょう。このデジタル分野は、中期的には年間約2億ユーロの潜在需要があると予想しています」
ビジネスパートナーとのコラボレーションによって開発を一段と加速
デジタル印刷市場における国際的企業としての地位を早急に確立するため、ハイデルベルグ社では、現在ビジネスパートナーとのコラボレーションを積極的に推進しています。
印刷業界を対象としたデジタルソリューションについては、株式会社リコーと富士フイルム株式会社の協力を得て製品ラインを拡張しているところです。これは開発の効率とスピードを高めて顧客の要求にいち早く応えるためです。
こうした各企業との継続的なパートナーシップによって、ハイデルベルグ社は新しい市場への参入にも積極的に取り組んでおり、自社の専門技術に磨きをかけて、各企業との統合システムの構築も進めています。その一例が三次元物体へのデジタル印刷システムの開発です。
富士フイルム株式会社の技術を応用したデジタルラベル印刷機が秋に登場予定
インクジェット方式の商業印刷/パッケージ印刷市場向けシステムの開発にも着手ハイデルベルグ社では富士フイルム株式会社との共同作業による最初のステップとして、新しいデジタルラベル印刷機を今秋発表する予定です。
このデジタルラベル印刷機は、少部数のラベル印刷やバリアブル印刷を、コスト効率良く処理したいと考える顧客の声に応えたもので、ハイデルベルグ社とガルス社が、富士フイルム株式会社の技術を導入して開発しています。
この開発と同時に、ハイデルベルグ社と富士フイルム株式会社はインクジェット技術を基盤とし、印刷会社の厳しい要求に応えられるプロ仕様の新しいデジタル印刷機の開発にも着手しました。このシステムは商業印刷/パッケージ印刷市場を対象としたものです。
株式会社リコーとのパートナーシップによってデジタル市場を牽引
ライノプリントC デジタル印刷システムは、すでに400 台以上が世界中で導入されています。
ハイデルベルグ社は、デジタル印刷技術とオフセット印刷技術を統合した製品を印刷市場に初めて導入し、すでにハイブリッド印刷の専門的ノウハウを確立することに成功した唯一のメーカーであると言えます。
また、この市場分野での製品ラインを拡充するために、株式会社リコーとのパートナーシップを一段と強化し、近い将来、新製品が発表される予定です。
ハイデルベルグ社のライノプリント製品の売上高は現在数千万ユーロですが、このデジタル印刷機の導入台数が増え、関連する消耗品の販売量が増えるに従って、売上高はさらに上昇すると見込まれています。
生産性と多用途性を兼ね備えた結合ソフトウェアの提供
髙い生産性が特長のオフセット印刷と融通性に富んだデジタル技術を並行して使用したいと考える顧客がますます増えています。
ハイデルベルグ社はこうした需要にプリネクトワークフローの統合ソフトウェア製品群で対応しています。
プリネクトは印刷会社におけるすべての工程管理をひとつの標準化されたワークフローに統合することで効率的な運用を実現するソリューションです。
ハイデルベルグ社はこのプリネクト製品群で、すでに5千万ユーロ前後の売り上げを達成していますが、W2Pやマルチチャンネルパプリッシングといった新製品の投入によって、この分野の売り上げをさらに拡大しようと計画しています。
新開発の4D 印刷ソリューションが潜在需要を喚起
ハイデルベルグ社の「ジェットマスターディメンション」はインクジェット技術を応用した3 次元物体対応のデジタル印刷システムです。
このシステムを最初に導入するのは、ヨーロッパ有数のW2P 会社である、フライヤーアラーム社です。同社ではこのシステムを利用して、サッカーボールなどにバリアブル印刷を提供したいと考えています。
また次のステップとして、自動車産業や航空産業への参入も目論んでいます。インクジェット技術は個別のフルカラーデザインを自動車やトラックはもちろん、航空機にも印刷することができます。
これにより、これまでのようなコストのかかる労働集約的な作業を劇的に減らすことができます。消費財や産業部門における3 次元物体への印刷市場規模は、中長期的に数億ユーロ(数百億円)になると予想されています。