おはようございます!
「今更聞けないデジタルトランスフォーメーション」の6回目。ハイデルベルグ本社のホームページで発表されている印刷業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)に関するホワイトペーパー「デジタライザーション」の内容をご紹介するシリーズです。DXにおいて鍵となるテクノロジーについて、今日は、ビックデータとブロックチェーン、 についての解説です。どうぞ!
ビックデータ
企業のデジタル化のレベルが高まるにつれて、膨大な量のデータが生成されます。これをビッグデータと呼びます。ビッグデータを使用して業務を管理したり、デジタルビジネスモデルの開発と収益化を行う場合、利用可能なデータは完全、かつ一元化され、高品質である必要があります。そうして初めて、実際の状況の真の全体像が提供され、信頼性の高い分析と予測、および効率的な運用管理の前提条件となります。しかし、ビッグデータの大部分は生データにすぎません。この豊富なデータがデータ分析、ソリューション開発のために、会社横断的に提供される場合にのみ、それは貴重な情報となり、データドリブン型組織を支える原動力となります。そうして初めて、意思決定者は評価を利用して、変化に迅速かつ自信を持って対応することができます。構造化されたデータの収集と分析は、デジタルカスタマージャーニー全体を通じて、購買プロセスと顧客活動に関する透明性も生み出します。その結果、顧客の行動と彼らの期待を深く理解することで、提案、製品、ビジネスアイデアを継続的に最適化するために利用することができます。
ブロックチェーン
ブロックチェーン技術は比較的新しいものですが、たとえば、注文や支払いプロセスなど機械間でのマイクロトランザクションを、法に準拠した上で安全に自動化するため、将来のインダストリー4.0で重要な役割を果たす可能性があります。ブロックチェーンはもともと暗号通貨ビットコインのトランザクションプラットフォームとして開発されました。口座移動などのトランザクションデータは、信頼できる中央エンティティ(銀行など)によって保存および検証されるのではなく、トランザクションに関与するすべての人に属するサーバーに保存されます。トランザクションの最新のステータスはこれらのサーバーに保存されているため、すべての当事者がすべてのブロックチェーンデータの完全なコピーを持っています。分散型の基本構造により、ブロックチェーンデータを改ざんすることは事実上不可能になります。
産業環境においては、ブロックチェーン技術を使用することは、すべての当事者にとって、製品、契約、取引、または配送データの改ざん防止文書が必要な時には良い選択肢となります。これに基づいて、バリューチェーンに関わるすべての人の間のプロセスをさらに自動化することができます。たとえば、サプライヤーは信頼性の高いバッチ追跡を確保したり、ブロックチェーンを利用して、サプライチェーンでテストされた製品の材料特性など、顧客との情報共有を自動化したりできます。さらに潜在的なアプリケーションには、バリューネットワーク全体の生産施設間または、サプライチェーン内のトランザクションを自動化するスマートコントラクトが含まれます。このような契約は、新しいビジネスモデルの実現も可能にします。たとえば、ブロックチェ
ーン契約に基づいて、印刷会社は、印刷機に他の印刷会社に印刷機の空いたキャパシティを販売したり、余剰のキャパシティを購入したりすることができるようになります。
(続く)