おはようございます。
今年1月25日の投稿で、ハイデルベルグ・ジャパンのコンサルティングについてご紹介しましたが、今日は、ハイデルベルグ本社のコンサルティングの活動の一例をご紹介します。ドイツのQUBUS メディア社で実施した”エネルギー効率化ワークショップ”についてのお話です。
印象的な結果を残した”エネルギー効率化ワークショップ”
2022年のエネルギー危機以前から、ハノーバーのQUBUSメディア社にとって、”エネルギー”というテーマはとても重要な課題でした。そのため、QUBUSメディア社が、ハイデルベルク社の”エネルギー効率ワークショップ”にパイロットカスタマーとして参加したことは、自然なことであり、その成果はとても素晴らしいものとなりました。
2022年の大幅な値上げ以前から、エネルギーや資源のコストが、どの印刷会社にとっても大変重要な要素であったことは疑う余地がありません。QUBUSメディア社も例外ではなく、2020年にエネルギー関連のリノベーションをスタートし、熱電併給設備と太陽光発電システムに投資し、照明もLEDに切り替えました。
「2022年11月の”エネルギー効率ワークショップ”で、私たちは次の論理的なステップに踏み出しました。」と、QUBUS メディア社の3人のマネージングディレクターの一人であるアーミン・アーレンス氏は述べています。また、「私たちの主な課題は、エネルギー効率の高いプリントショップになるための新たな可能性を見出すことでした。そして、そのプロジェクトには、従業員にも参加してもらうことでした。さらに、社内のプロセスを外部から見てもらうことも重要でした。」と、語ります。
”エネルギー効率ワークショップ”は、お客様に革新的な技術を提供するだけでなく、お客様のビジネスを包括的にサポートするというハイデルベルグの考え方に基づいています。ハイデルベルグは、コンサルティングパートナーとして、特に現在のエネルギー危機や製紙危機の中で、お客様をサポートすることができると考えています。ハイデルベルグ社のシニアコンサルタントであるハンス・ユルゲン・フィンクは、「私たちは、まだ十分に活用されていない節約の可能性を引き出すために、体系的かつ包括的にお客様にアドバイスをしています。」と、その目的を説明しています。
戦略的パートナー
ひとつには、QUBUSメディア社は、ハイデルベルグが戦略的パートナーである(印刷機はすべてハイデルベルグ社製)ことから、ハイデルベルグと共に取り組むことに決めたと言います。また一方では、アーミン・アーレンス氏によると、「ハイデルベルグのコンサルタントは、業界とプロセスを熟知しているため、適切な質問をするプロフェッショナルです。」と言います。これは、業界外のエネルギーコンサルタントと比較した場合の優位性です。
3日間のワークショップには、ハイデルベルグのコンサルタント3名、QUBUS社の社員10名、そして経営陣や印刷・ポストプレス部門の責任者が参加しました。
アーミン・アーレンス氏の視点に立つと、「ワークショップの成功のためには、コンサルタントがチームや社内の状況に応じて機転を利かせることが重要でした。そうすることで、思いがけない可能性が開けるからです。チーム全体がコミットし、常に新しいアイデアや改善のためのアプローチを開発しました。ワークショップは関係者全員にとって生産的なプロセスであり、楽しい時間となりました 。」とマネージング・ディレクターは総括しています。
業務上の主な気づきは以下の通りです。
第一に、印刷機はエネルギー所要量の半分以上を占めています。印刷速度を上げることで、より効率的な運用が可能になります。
第二に、圧縮空気システムの漏れを注意深く検出し除去することで、エネルギーコストを大幅に削減できます。
第三に、これまで、メンテナンスは軽視されてきました。現在、QUBUSメディア社には詳細なメンテナンス計画があり、スタッフはその計画を綿密に実行します。
新しいプロセスやルーティン
ワークショップを通じて、QUBUSメディア社は大小さまざまな「エネルギー消費源」を特定し、排除しただけではありません。さらに、ワークショップの中長期的な成功を確実にするために、プロセスやルーチンが見直されました。
例えば、2023年1月には、QUBUSメディア社は、さらなる施策の実施について議論する最初のマネジメントワークショップを開催しました。また、いわゆるCIPラウンド(Continuous Improvement Process / 継続的な改善プロセス)は、14日に1回、あるいは月に1回、各部門で行われます。その目的は、エネルギーと資源というトピックに焦点を当て続けることです。
ワークショップで得た知見をもとに、QUBUSメディア社は戦略的な決断を下しました。週4日制を試験的に導入することになりました。「ワークショップの真髄は、こうです。5日間で生産するよりも4日間で生産した方がエネルギー効率が高いという事です。なぜなら、機械の速度を上げることでシフトを節約できるからです。」とマネージングディレクターのアーミン・アーレンス氏は述べています。
学んだ教訓
ー社内のあらゆる階層をワークショップに参加させる。
ー最初のステップとして、シニアマネジャーのアイデアを収集する。
ーそして、制作スタッフも貢献できるように、チームにテーマを持ち込む。
ーよく観察することに意義がある。日々の業務で見落とされていることや、細かいことに気がつかないことはたくさんある。
ー意識改革を続ける。
ーハイデルベルグ社との信頼関係が成功のベースとなる。
以上。
* このサービスは現在、一部の国でのみ提供されています。詳しくは、ハイデルベルグ・ジャパンまでお問い合わせください。
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