おはようございます。
サステナブル(持続可能な)であることは、もはやビジネスを継続、成長させていく上で、業種、規模を問わず、早急に取り組まなければいけない課題となりました。そこで、今週のJ-Connectでは、ハイデルベルグ本社でサステナビリティ活動のリーダー的役割を務めるハロルド・ヴェルナーのインタビューを2回に渡ってご紹介します。
持続可能な生産とビジネスプラクティスへの絶え間ない追求。
このところの気候変動の結果、環境問題への意識が劇的に高まり、環境にやさしいパッケージに入ったサステナブルな(持続可能な)製品を評価する消費者がますます増えています。それに伴い、印刷会社の顧客も、印刷会社に対し、サステナブルな(持続可能な)方法で生産をすることを期待するようになっています。ハイデルベルグはこれを深く理解しており、長年にわたり、私たちのお客様が生産とビジネスをする上で、可能な限り”気候に中立である”ようにサポートをしてきました。今日は、ハイデルベルグの環境とサステナビリティ(持続可能性)のプロダクトマネージャーであるハロルド・ヴェルナーが、戦略、対策、成功について語ります。
ヴェルナーさん、消費者の間では、溢れるパッケージについての批判の波があります。また、多くの人々がプラスチックを避けている一方で、折り箱(フォールディングカートン)は、ますます人気が高まっていますね。それは、どうしてでしょうか?
ヴェルナー:基本的に、私たちは現在パラダイムシフトを経験しています。ますます多くの人々が、気候や環境問題に対してアクションを起こさなければならないという緊急性を認識しています。そして、彼らは、私たちの消費の方法に変化を求めています。海洋汚染やマイクロプラスチックによって毎日のようにもたらされるリスクに私たちが直面していることで、プラスチックは、批判の矛先となりました。たとえば、折り箱は、プラスチックよりもはるかにサステナブルな包装ソリューションであることは事実です。しかし、梱包材だけではもちろん十分ではないのです。
他に何が必要ですか?
企業が、市場で優先して選ばれるビジネスパートナーとしての地位を確立するには、最高のサービスを最高の価格で提供するだけではもはや十分ではありません。これはすべてのセクターに当てはまり、印刷会社も例外ではありません。今日、すべてのプロセスをサステナブルな基盤に置くことは、成功を確実にするためには、同じように重要です。つまり、最もサステナブルな包装材料を選択することは、最初のステップにすぎません。
ハイデルベルグは30年間、サステナビリティの追求に執拗に取り組んできました。その理由は何ですか?
ハイデルベルグは何年もの間、明らかにサステナブルな生産に投資してきたと言えるでしょう。私たちはまた、印刷会社がサステナビリティを実行に移すことをサポートすることにも同様、決意を固めています。どのプロセスであろうと、私たちは、製品のエネルギー効率を高めていきます。ヤレ紙、各プロセスでの排出物や廃棄物を削減します。さらに、プリプレス、プレスからポストプレスまでのすべての生産ステップを上手く組み合わせることにより、システム全体の効率を最適化しています。
ハイデルベルグの機械はどのようにサステナブルなのでしょうか?
現在、プリプレス、プレス、ポストプレスのすべての機械は、カーボンニュートラル製品としてご利用頂けます。この点で、私たちは、市場において独自のセールスポイントを持っています。独立したフラウンホーファー環境安全エネルギー技術研究所と協力して、機械のカーボンニュートラルを実証できるプロセスを開発しました。ハイデルベルグのカーボンニュートラル印刷機645台が、現在、世界48か国で使用されています。このようにして、私たちは世界中のお客様が産業プロセスの温室効果ガス排出量を削減できるようサポートしています。
効率とサステナビリティを、より具体的に表わせますか?
例として1997年の京都議定書を取り上げましょう。この条約によると、2020年の産業プロセスの効率は、1990年と比較して少なくとも20%向上するはずだと言っていました。それでは、1990年最高の印刷機であったスピードマスター CD102-6 + Lと、今日のフラッグシップのパッケージ印刷ソリューションであるスピードマスターXL106-6 + Lとを比較してみましょう。すると、1,000枚あたりのエネルギー消費量は、13.8kWhから8kWhに削減されているのがわかります。つまり、上記の20%の2倍以上、正確には41.7%を達成していることになります。
…と、今日はここまで、また次回をお楽しみに。
ハイデルベルグのカーボンニュートラル製品についてはこちらから。