おはようございます!
あのアンソニー・サールビーへのオンラインでのスペシャルインタビュー、第4回目をお届けします。今回は、アンソニーが、デジタル印刷とオフセット印刷をどう捉え、実際に使い分けているかを語ります。
J-Connect編集部(J編):イギリスの印刷会社の競争環境はどうですか?イギリス国外からの競争圧力はありますか?
アンソニー・サールビー(AT):今はそれほどでもありません。これは明らかにブレグジットの影響です。欧州にはフライヤーアラーム社やザクソプリント社などの大手がいて、英国市場にも大きく進出していました。統計によると、それらの会社は英国印刷市場の5~6%をドイツに持ち出して、素晴らしい仕事をしているそうです。現在、英国からの物流は大問題になっています。向こうの有力印刷会社は、今、わざわざ英国に来ようとは思わないでしょう。しかし、私はまた、コスト効率では他のどこにも引けを取らないと固く信じてきました。現に今そうですし、私たちは市場ニーズがどこにあるのかを見極めようとしています。仕事に結び付いたとしても営業関連に巨額の経費を使いたくはありません。それでは利益が減ってしまうだけです。重要なのは、欧州の一部の大手と業務提携を結び (すでに結びましたが)英国市場に参入するための便宜を図れるかどうかを把握することです。私たちは、午後の12時半に受注して夕方には発送するという特急サービスを多数手がけています。私たちはこのサービスをハイブリッドモデルとして提供しています。というわけで、私にとって問題は依然として出力装置です。オフセットかデジタルかの話は、これからも常に出てくるでしょうが、オフセットかデジタルかの本当の損益分岐点を考えたとき、私たちは世界中の誰よりもおそらく有利な状況にあります。私たちの場合、大多数が今なおオフセットを求めています。デジタルはまったく別ものですし、極小ジョブが数多くありますが、製品化することで1つにまとめています。ですから、共通するオファーのおかげで助かっています。とは言え、あらゆる作業をフロントエンドアーキテクチャを通じて行うことで、ビジネスのデジタルパートのすべてが便利に進められているのは明らかです。
J編:デジタル印刷とオフセット印刷はどのように使い分けていますか?
AT:化粧裁ちしたリーフレットの場合は125ポンド(現在の為替レートで約2万円)以下はデジタルで、折り畳みリーフレットの場合は、200ポンド(現在の為替レートで約3万2千円)以下がデジタルです。中綴じなら300ポンド(現在の為替レートで約4万8千円)以下です。私たちの仕事には、400部の無線綴じの本もあります。これは、ブックボックスを作成するので、折り、丁合、綴じは必要ありません。これはデジタルです。1分で前準備ができる新しいスピードマスターXL75が来たら、それぞれ50ポンド(現在の為替レートで約8千円)値下げする予定です。MISでの設定で良かったことは、XL75では12,000枚でも100,000枚でも同じコストと人件費で済むことです。状況を説明しましょう。2台のデジタル装置を動かすためのクリックチャージ、サービスその他すべての純粋なネットコストがあります。XL75の場合、その同じランニングコストで15倍、16倍の量を生産できます。だからといって一方がもう一方よりも優れているというわけではありません。デジタルにはふさわしい製品市場があり、オフセットにもふさわしい製品市場があるということです。繰り返しますが、そうではないことを証明した人も装置も見たことがありません。私たちは、121億枚と、ヨーロッパで最も枚葉印刷機を使用しました。おそらく世界でもナンバー1でしょう。なぜならスタッフがいて、アーキテクチャについて理解しているからです。DFEは本当に利益をもたらしますが、それで扱える製品レンジはコスト効率の良いものです。小さな価値のレベルでも、、コスト効率の良い用紙1枚あたりのコストは、依然として商売として成り立つものです。
J編:デジタル印刷とオフセット印刷を使い分ける明確なルールがあるということですね?
AT:そうです。すべてシステム内で自動的に行います。社内の損益分岐点はいくらか、製品化とは何かを、MISにコーディングし、デジタル装置ごとに用紙寸法および製品によって分けます。
つづく
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