アルカリ現像処理を必要としない、いわゆる無処理版と言われる刷版が、ここ最近急速に進化しており、UV適性まで持った無処理版も国内2大プレートメーカーから出て来ました。
その様な背景もあり、有処理版から無処理版に切り替える印刷会社が増えています。
また、各資材販売店も切り替えを促す事で、新しい販売先の獲得につながる事もあり、積極的な無処理版の販促をしています。
その一方、「まだウチには早い」と、この無処理版化のブームを静観されている印刷会社もまだまだ多いのも事実です。
では、私たち印刷機メーカーから見た無処理版の評価はどうなのか?
泡沫ながら私たちも各メーカーのプレートを販売している事もあり、実際のお客様の評価や、弊社ショールームでのテスト等から様々な情報が入ってきています。
そこで、今回はその実情をお知らせしたいと思います。
まずは私たちが見てきた無処理版のメリット・デメリットを振り返ってみましょう。
無処理版化によるメリット
現像機、現像液、廃液が不要。また現像機のメンテナンスや電気代もいりません。
また、プレート上の網点管理がほとんど必要なくなり、プレート網点が安定しているために印刷品質も安定します。
無処理版化によるデメリット
- 有処理版に比べ、耐刷性能はほぼ半分以下になる(印刷機の状態や使用する資材にもよりけり)
- 版面が見づらい為、検版はほぼ不能
- 無処理版化にあたり、CtPやワークフローの調整が必要
- 有処理版に比べ、プレート一枚当たりの単価が若干上がる、また印刷機のメンテナンス状況によってはトラブルが出る場合がある(ただし、しっかりとメンテナンスを行えば、ほとんどのトラブルは解消します)
今回はまず、無処理版のメリット・デメリットを上げさせていただきました。実際のマーケットにおける評価や課題、メリットを最大化する方法などについては次回に掲載いたします。
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