カラーマネジメントの第一歩の3つ目として、本日はインキの重なりについてお話しします。
カラー印刷では基本となるシアン(藍)、マゼンタ(紅)、イエロー(黄)、ブラック(墨)の4つの色を使っています。
印刷された画像を見ると4色どころかもっと多くの色がそこに再現されていますが、そもそもこれら4つの色だけでどうやって様々な色を表しているのでしょうか?
ここで「色の三原色」というものを思い出してみてください。
シアン、マゼンタ、イエローの三つの円が重なり合い他の色を作っている図です。
例えば、シアンとマゼンタが重なって「紫」になります。マゼンタとイエローでは「赤」、シアンとイエローでは「緑」という具合です。
私たちにとっては重ねるというより混ぜ合わせると言った方が馴染みがあるかもしれませんね。そうです、絵の具を使って絵をかくときに幾つかの色を混ぜて色を作ったのと似ていますね。
でも、印刷の場合は色同士を混ぜるのではなく重ねることで色を作ります。
このような原理で印刷では様々な色を表すことが出来るのです。
単純なように聞こえますが、印刷上では極めて重要で難しい部分でもあります。それは重なり方が変わると色が変わるという点です。
色々な原因がありますが、前にお話しした「インキの盛り」、「網点の大きさ」も影響をします。また、印刷は通常ブラック⇒シアン⇒マゼンタ⇒イエローの順番で印刷をしますが、これが変わっても色が変わってしまうという現象も起こります。(下図)あまりそんなことはしませんが…
色を重ねて様々な色を表すという原理をお分かりいただけたと思います。
1話目の「インキの盛り」、2話目の「網点の大きさ」、そして今回の「インキの重なり」の3つの要素によってカラー印刷が成り立っているのです。
これは「印刷の三大要素」と呼ばれる印刷の原理ですので、最近、印刷業界に入られた方は必ず覚えておいてくださいね。
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