私事ですが、昨年会社のイベントで『ビールゲーム』を経験する機会がありました。
読者の皆さんは『ビールゲーム』と聞くと、どんなゲームを想像しますか?
『一気飲み大会』なんてちょっと激しいものを想像していませんか?
実は私もやる前は過激なものをイメージしていましたが、実際やってみると全くもって真面目なゲームで、そもそもはMIT(マサチューセッツ工科大学)で開発されたサプライチェーン・マネジメントの原理を体験できるシミュレーションゲームなのでした。(詳しくは、wikipediaなどで)
製造業が原材料を仕入れてから製品として販売するまでに仕掛品や在庫が多く出ることが、利益の損失に繋がり、それらをいかに最小限に留め、利益を確保するかという事を体感できるものです。
代表的なサプライチェーンである自動車業界や半導体メーカーとは異なるものの、印刷業も製造業であると考えると在庫や仕掛品の滞留というのは出来るだけ削減したいボトルネックの一つだと思います。
そんな問題を一気に解決してくれるのが、『印刷機のUV化』です。
新台の導入となると初期投資が高額になりますが、UVシステムだけを後付することが可能な為、投資額を大幅に抑えることが可能です。
UVインキにUV光を照射することで、インキ中の光開始剤に化学反応が起こり、瞬間的に乾燥(硬化)します。そのため、印刷された用紙は直ちに後加工に送ることもできますし、反転して裏面の印刷にかけることもできます。
印刷機のUV化により、工程全体の待ち時間が減り、結果として費用の節約につながります。
それに加え、パウダーの消費量が抑えられることから、機械のメンナンスにかかる時間が減り、稼働率が高まるとともに印刷物の品質が向上します。
UV印刷、特にUVニス印刷により、印刷を外注したり、オフラインで処理したりする必要がなくなるため、商品価値を高める新たなチャンスが得られます。
これまでの40年間、UV技術はパッケージ印刷、ラベル印刷、特殊印刷、偽造防止印刷などの特殊な製品を手掛ける印刷会社の専門領域でした。
そして、商業印刷のユーザーが使用することは非常にまれでしたが、この傾向に変化が表れたのは、低エネルギーのUV装置と高反応性のインキが開発されて以来のことで、ここ 5年くらいのことです。
従って、この技術を必要としているのは、例えば、Web-to-Printや特急印刷/翌日配達などの小部数商業印刷のビジネスモデルや営業体制を持つユーザーです。
ここでは印刷会社内での時間の節約と品質の安定性が最重要課題で、それは片面印刷機にも、両面印刷機にも言えることです。
UV硬化技術を採によって、配送の計画・管理も容易になり、同時に、印刷後の用紙を乾燥(硬化)させる必要がなくなるので、工場内に余分なスペースが不要になります。
ニーズに応じて3タイプから選べる後付けUVシステム
当社が提供するUVシステムは、目的、用途に応じて多くの実績がある3タイプから選択が可能で、またUVシステムの提供だけではなく、生産性を高める印刷機の改造もご提案しております。
1. ドライスターUV
従来型のUV装置としてパッケージ関連に最適なシステム。
非吸収性原反(PE、PP、PETなど)への印刷が可能となり、広い用紙対応力を実現。
2. ドライスターLE UV
従来型のUV装置の省電力タイプとして発展したシステム(LEはLow Energyの略)。
3. ドライスターLED
UV装置の光源にLEDを採用した最新型のシステム。
他社製LED-UVよりもレンズやLED素子の配列により高い乾燥(硬化)性が得られます。
また、印刷機のUV化に伴い、ローラーやブランケット、洗浄液などハイデルベルグの印刷機に最適な印刷必需品をご提供することが出来ます。
税制改正により、中小企業の設備投資が活性化
省電力性にすぐれたドライスターLEDは、中小企業税制における優遇改定により、大幅に設備投資がしやすくなりました。税制改正により中小企業の設備投資を支援する税制措置が広く拡充されています。
中小企業等経営強化法に申請し認定された会社様は、
・「即時償却(減価償却せず経費処理ができる)」
・「税額控除(設備投資額の10%を法人税から控除)」
のいずれかを選択適用できる改正です。
実は私もこの初夏にあるお客様でUV化のお手伝いをさせていただきました。
UVシステムと合わせて、日々働く現場の環境を適切な状態に維持するために、印刷ユニットのミスチング対策(インキがミスト状になり飛散する)をパッケージ化してご導入頂きました。
導入後に訪問した際、ほとんどのお仕事で毎時18,000枚のスピードで高速生産しているところを見た時には、我ながら感動したのを今でも憶えています。
長々書きましたが、ハイデルベルグ社製の印刷機をお持ちで、UV化を考えていられる印刷会社様がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談をいただけると幸いです。
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