読者の皆様はこのような経験、ありませんか?
多くの印刷オペレータの方は、機械の扱い方や段取りを体で覚えて慣れていきます。一方で、さらに使いこなしに慣れてくると、本当はやらなきゃいけないとわかっていても、ついつい省略してしまうことが出てくることが多いようです。
もちろん、できれば楽をしたいと思うのはある意味普通のことなのですが、時間が経つことで、それが当たり前になり、いつのまにか正しいオペレーションを忘れてしまったりするものです。
でもコレ、よく考えると怖いですよね。
正しい方法の一部が抜けた、いつも通りの慣れたやり方が担当者が変わるたびに何度か引き継がれて、気づけば後から入ったオペレータさんはぜんぜん違うことを教わっていた・・・という伝言ゲームに近い状況にもなりかねません。
ということで。今回はブランケットについてベテラン機長さんも、まだ始めたばかりの新人オペレータさんも、基礎を振り返ってみましょう。
【ブランケットの取付け時の注意点】
- 新しいブランケットの表面には、保護のために白い粉が塗布されているので、表面を水で拭きとります。
- 下紙(アンダーレイ)は、必ずブランケット交換時に一緒に交換します。定期交換でも、2枚通しでブランケットをつぶしてしまった時でも、必ず取り替えます。
- トルクレンチを使って締めます。増し締めも忘れずに。
- 最後はブランゲージで確認します。ベアラとブランケット表面がツライチでなければいけません。
※締め付けトルクはブランケットにより異なりますので確認が必要です。
【使用中の注意点とポイント】
- インキは洗浄剤、紙粉は水で落とします(強い洗浄剤でも落ちません)。
- 強い洗浄剤を使うと、簡単にインキは落とせても、表面を著しく傷めますので注意が必要です。
- 回復剤といわれる製品が流通していますが、一時的に柔らかくして膨らませるものの、揮発すると塗布した部分が硬くなってしまい、結局印刷品質に悪い影響を与えますので、こちらも注意が必要です。
どんなに良いブランケットでも、正しく取り付けなければ良い品質の印刷はできません。
数値化できるところは数値化して管理することが、壁にぶつかった時も解決への近道になります。
正しい調整や数字のイロハは、弊社に詳しいスタッフがたくさんいますので、気軽に聞いてみてください。
印刷は変動要素が多いため、感覚だけで高品質の印刷を継続することはまずできません。各所がきちんと調整、メンテナンスされることで高品質の印刷物が生まれ、継続できます。
記事 印刷必需品本部 浅井貴行
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