おはようございます!
”効率よい仕事の順番を考えたいけど考えなければならない要素が多すぎて結局納期順にしている。”とか、”不良だしたら怖いから無駄だとわかっていてもいつも最強の洗浄プログラムを選択してる。”とか、ありませんか?しかし、こうした点に、生産性やコストを改善するポテンシャルが潜んでいるのではないでしょうか。今日は、“印刷現場にAIがやってきた!”というタイトルで、AI(Artificial Intelligence、人工知能)が、新しいスピードマスター2020ジェネレーションで、そうしたポテンシャルを解き放つために、どのように活用されているかをご紹介します。
まずプリネクトからお話をスタートしましょう。プリネクトプロダクションマネージャーのスケジューラ機能は、納期、用紙情報、インキ使用量等の情報によって仕事の順番を最適化します。こうして最適化された仕事の順序は、仕事間での装置の調整等の変更を最小にすることを可能にし、究極的には完全自動運転印刷Push to Stopを実現し、また、夢にも思わなかったような生産性のポテンシャルを解き放ちます。ハイデルベルグのお客様の中には実際にこの方法を取り入れて、前の仕事の最後のOKシートから次の仕事のOKシートまでの準備時間を約2分に、そして、ヤレ紙も40枚から80枚にした会社もあります。
もうひとつのAI活用の例は、新しいウォッシュアシスタントです。私たちの分析によれば、オペレータは、確実な洗浄結果を得るために通常必要以上に長い洗浄プログラムを選択する傾向にあります。ウォッシュアシスタントは、関連する仕事の情報と機械のパラメーターをもとに適切な洗浄プログラムを選択します。これは、洗浄液や洗浄布を削減すると同時に、時間の節約も可能にします。例えば、インキローラーを洗浄する際には、暗い色から明るい色への洗浄することを認識すると、ウォッシュアシスタントは、自動的に強力な洗浄プログラムをスタートします。
パウダーについても同様です。やはり安全を見て、オペレータは多めの設定を選択する傾向にあると言われています。しかし、皆様よくご存じのとおり、パウダーの使い過ぎは、デリバリユニットでの洗浄を余儀なくされ余計なダウンタイムの原因になります。もちろん、後加工で発生する多くの問題の原因にもなります。新しいパウダーアシスタントは、原反、そしてインキの使用量によって最も最適なパウダーの設定を推奨してくれます。この装置を使用しているお客様では既に大きな改善結果が報告されています。
2016年に導入されたクオリティアシスタントは、プリネクトインプレスコントロール3で色の品質がある基準に達すると自動で本生産を開始します。(Push to Stop ですね。)今では、用紙の検査結果とインスペクションコントロール3によるPDFとの比較結果を表示することも可能になりました。つまり、プリネクトインスペクションコントロールも、Push to Stop プロセスの中に統合されたわけです。
カラーアシスタントプロのインキのプリセットを最適化する自己学習機能も自動化されました。プリネクト色測定システムと連動して、インキのプリセットを完全に自動学習させます。自己学習するカラーアシスタントプロを利用することで、スピードマスターは、インキのプリセットを自動的に最適化し、さらに準備時間とヤレ紙を削減することを可能にしました。
多品種少ロット化、短納期化が進む今、印刷現場において、様々な要素を考慮して短時間で最適な選択をするのはオペレータの、そして人間の能力の限界を超えています。だからこそ、ハイデルベルグは今、利用できるテクノロジー、AIを大いに活用した数々のソリューションをご提案しています。そして、こうしたAIを活用したアシスタント機能も、先日まで特集していたハイデルベルグUXを創造しているひとつの要素なのです。
さて、印刷現場にやってきたAIご理解頂けましたでしょうか? “いやいや、スピードマスター2020ジェネレーションで使われているAIについてもっと知りたい!”というお客様は、遠慮なく、ハイデルベルグ・ジャパン (03-5715-7374) までお問い合わせください。