おはようございます!
今日のJ-Connectは、久々に、印刷資材の話題を。ハイデルベルグ・ジャパン、印刷資材担当の本郷に、逆転の発想で生まれた新しいローラー“ロトテックローラー”について話をしてもらいます。それでは、どうぞ!
はい、それでは早速説明させて頂きます!水元ローラー、計量ローラー、水着けローラー、3本のローラーは、湿し水ローラーと呼ばれ、刷版とインキローラーへ必要な湿し水を安定して供給する役割があります。湿し水の供給量は、
①水元ローラー回転速度
②湿し水の調合具合(材料と濃度、添加剤量)
③水元ローラーや計量ローラーの表面特性とクラウン加工と呼ばれる形状設定
上記3つの条件によって変わります。安定して高品質の印刷を実現するためには、薄い水膜をローラー間で安定して転移出来る様に、ローラーには水と親和性が良い材質を選定し、その性質を維持するようにメインテナンスしなければなりません。それでも通常のローラーは、使い込まれていくうちに水元ローラーと水着けローラー表面でインキと溶剤成分の影響を受け形状も変化し、部分的に親水性が失われ、メインテナンスしても回復しづらくなります。それを補うため過剰な湿し水量で印刷したり、回転を上げた場合、回転方向に水筋が出来て部分的なムラが発生することがあります。そして、しばらくすると、湿し水量の供給が安定しなくなり、インキのカラミや印刷汚れなどが発生し、最終的にはローラー交換をしなければならなくなります。
逆転の発想で生まれたロトテック水元ローラー、耐久性に優れた超撥水性コーティングとは!
ハイデルベルグは2008 年にロトテックローラーを初めて発表し、2017 年からはさらに水上がり性が向上した新しいタイプのロトテックローラーを販売しています。ロトテックローラーには、全く新しい発想の超撥水性のコーティングが施されています。先にお話したように、従来の水元ローラーは水と親和性がよい材質を選ぶのが常識でしたが、ロトテックローラーの表面は、逆転の発想で超撥水なので、薄い水膜は完全に弾かれ、極めて小さな水滴だけが表面に残ります。従来のように薄い水膜を計量ローラーへ転移させるのではなく、極めて小さな水滴だけを計量ローラーへ転移させて供給量を変える事ができるのです。このため、湿し水量を絞るためのコントロールがしやすいのが特徴です。さらに、ローラー回転が速くなっても水のスジ/ムラの発生は少なくなります。またロトテックローラーは、無溶剤NonVOCのフッ素系コーティング剤を使用しているので、使い込まれていく過程でもインキと溶剤成分の侵入を防ぐ効果があり、適切にメインテナンスする事で、従来の水元ローラーに比べて交換周期を飛躍的に伸ばす事が出来ます。
コーティング表面はツルツルしているため拭き作業も楽に出来ます。ロトテックローラーの拭き掃除には、是非、サフィラ アルカラークリーナーD-Cleanをご使用下さい。サフィラ D-Cleanには不水溶性成分が含まれないため湿し水に影響を与えず、低臭で、使いやすさにも優れています。但し、洗浄の際には、硬い物や研磨剤の入った物でこすらない、酢酸メチル、アセトン、エステルやケトンを少量でも含む洗浄液は使用しない等の注意が必要です。
逆転の発想で生まれたハイデルベルグの新しいロトテックローラー、ご理解頂けましたでしょうか?もっと知りたい!という方は、お気軽にハイデルベルグまでお問い合わせください。