おはようございます!
今年1月18日にオンラインで開催された記者発表会における株式会社共進ペイパー&パッケージ様の代表取締役副社長鍛治川和広様の全スピーチを、鍛治川様のご承認を得まして、ご紹介する3回シリーズ「オフセット印刷の逆襲」。今日はその2回目です。是非、ご一読ください。
….もう少し詳しく説明すると、もともとプライムファイアでは商業印刷は500枚以下のところに強みがあるということでビジネスモデルを描いていました。厚紙、パッケージ印刷については、1000枚以下に強みがあると判断をしていて、バリアブルのようなデジタルの特徴を生かした印刷以外では1000枚以下の小ロットのところで、この数億円の投資を回収するという計画を立てていました。しかし、先ほど申し上げましたように、新たな効率化を反映させると200枚が分岐点になりますので、200枚以上の印刷についてはオフセットで印刷する、200枚以下については、フラットベッドのデジタルで印刷するということになります。プライムファイアが誇る高品質の7色印刷については、オフセットの7色印刷で、プリネクトマルチカラー印刷にトライをして稼働していきます。また、バリアブルについては、少し弱くなりますが、200枚以下はフラットベッドのデジタルで、200枚以上のものについてはオフセット印刷に追い刷りするかたちでこのビジネスモデルをカバーしていこうと計画しています。
「できなくなること」と「できるようになること」をまとめると、プライムファイアは完成された機械だったので、極めて安定した印刷が可能でした。つまり、非接触のインクジェット印刷によりΔE1以内の品質が担保されていましたが、オフセット印刷ではデジタル印刷よりも接触をして変動性が高いため、完全に同等というわけにはいきません。しかし、インラインでコントロールすることによってΔE1.5以内を目標にした品質基準でやるということに変わりはありません。この部分は若干「できなくなること」として挙げています。もうひとつは、B1サイズの大量バリアブル印刷で、例えば完全2千枚絵柄違いのB1ポスターを印刷しようとするとプライムファイアであれば1時間で終わるジョブですが、フラットベッドの印刷機ではそこまで生産性は高くないので、こういう注文があった場合には、納期をより頂かなければならない。これが、もうひとつ「できなくなること」です。一方で、そうしたバリアブルの仕事を獲得するべくプライムファイア導入後から営業活動をしておりましたが、B2のバリアブルは増えましたが、結果としてB1サイズのバリアブルというのは想定よりも獲得できなかった(市場がそれほどなかった)という反省点があります。つまり、このB1サイズのバリアブルができなくなるということは、決して大きなデメリットではなく、ほぼ大きな影響はないというふうに捉えています。
逆に「できるようになること」を言えば、200枚以上の印刷の競争力が向上することであったり、プライムファイアが苦手だった両面印刷ができるようになることが挙げられます。薄紙からG段ダイレクトの印刷、金銀の印刷、フラットベッドによるボードへの印刷、バックライトフィルム印刷等々、できる印刷の幅が広がります。
以上を考えると、今回の投資の変更は「できなくなること」より「できるようになること」の方が多いと我々は捉えています。
続く