ハイデルベルグの“Push to Stop(プッシュ トゥ ストップ)”は、これまで達成できなかった高いレベルのパフォーマンスを目指す、新しいコンセプトです。
日本でも、このコンセプトにもとづいた機器・システムが続々と納入され、劇的な生産効率改善が実現され始めています。これらの成功事例が、TVやインターネットなどの各種媒体で紹介されている事もあり、Push to Stopに関する弊社へのお問い合わせが非常に増えています。
今回は、非生産時間の削減に大きく寄与する
「ハイカラー マルチドライブ」をご紹介します。
日々、様々な仕事をこなす印刷機ですが、仕事の内容によって、使用するユニットが異なるケースもしばしばあります。
そのような時、任意のインキングユニットをメインドライブから切り離す事が出来れば、大きなアドバンテージが得られます。
しかし、ハイデルベルグは過去、クラッチを利用してインキングをつなぐ/切り離す事を良しとしませんでした。
なぜなら、印刷機の心臓部とも言えるインキングを、クラッチによって物理的につなぐ/切り離す事を前提にした場合、何年・何十年にも渡って繰り返される動作の精度を保つ事が非現実的だからです。
また同時に多くのメンテナンスや分離・同調の時間を要する事で非生産時間を増やしてしまい、本来の目的を果たすこともできません。
これは印刷機に使用する鉄の鋳造から自社でまかなう、機械に必要な素材の性質を知り尽くしたハイデルベルグならではの判断でした。
drupa2016において、ハイデルベルグが発表した「ハイカラー マルチドライブ」は、まさにそれらのジレンマを解消する画期的な技術です。
「ハイカラー マルチドライブ」は、クラッチを利用する事無く任意のインキングユニットをメインドライブから独立駆動させる事が可能です。
インキングのみを管理する動力が存在するため、メインドライブから独立してインキングが稼働します。
XL106では、ブラン胴と圧胴の洗浄同時洗浄が標準装備されているため、「ハイカラー マルチドライブ」を組み合わせる事で、インキング洗浄も同時に行えます。
さらに、オートプレートXL2を組み合わせる事により、刷版交換装置も独自の動力を有します。つまり、ブラン洗浄・圧胴洗浄・インキング洗浄・版交換が、全て同時に行われます。
Push to Stopは、主にデータのハンドリングや仕組みから印刷機の自動運転を推し進めますが、この様なデバイスの進化も、非生産時間の削減、ひいては生産性拡大に大きく寄与しています。
◎記事についてのお問い合わせはこちらからお願いします。