おはようございます!
ハイデルベルグ・ジャパンでは先般、全世界で2,000台目となるスピードマスターXL106-7+Lを導入いただきました富山スガキ株式会社の須垣貴雄社長をはじめ、皆様にインタビューをさせていただき、導入を決められたポイントや、その後の効果などをお伺いいたしました!
J-Connect編集部(以下J編): 今回、スピードマスターXL106を選ばれたのはどのようなところからなのでしょうか。
新工場を建てたタイミングで設備を増設しまして、その際、合理化、生産性向上、スキルレスの3つの軸で選定を行いました。基準の中でも強いて言うとスキルレスの重要性が特に高かったです。
その結果、スピードマスターXL106を選定したのは、具体的にその自動化技術とインプレスコントロールが特色も含めて測色管理できるというのが大きかったです。
というのも、製薬メーカー様との契約の中には色の濃度も含まれます。医薬品パッケージに使われる数色のベタの上限値/下限値を決めて、契約に盛り込まれるのですね。ですので、オペレータには、その契約内容に準じて印刷を行うこと求められるのですが、スキルとしては非常に高度で、人材の育成にはかなりの時間がかかっていました。
しかしこのような売り手市場の中では、なかなか人が育たない、育成に時間がかけられない、退職をするケースもあるという中において、早く若手に引き継がなければいけないという会社としての使命感が背景にありました。
J編: 人材面の課題に対して、XL106の技術が役に立っているということでしょうか。
はい、そうです。XL106の導入後はこれまで機長経験がなかった若手オペレータが数か月の教育期間を経て機長として活躍しています。これには給紙から排紙まで極めて安定している用紙搬送をはじめ、インプレスコントロールなどの各種機能が大きな貢献をしています。
J編: インプレスコントロールはどのような効果を生んでいますか?
各工程で検査を行っておりますが、その中に機械検査と呼ばれるものがあります。ピンホールや色ムラをはじめ様々なものをチェックしていくのですが、そこには印刷要因と紙要因の物があります。最近の傾向として、紙に起因する問題は非常に多く、そこの段階でふるい落とすものが多くなっています。紙の質がなかなか向上していかない中で、機械検査と言われる工程には実は大きな負荷がかかっているのです。
用紙の様々な不具合を検査でふるい落としますので、残る良品の用紙量は少なくなります。そうした中で印刷起因のエラーをどれだけ減らしていくか、というのが重要な課題になりますが、機長が印刷中に手動で合わせることをせずに、インプレスコントロールによって安定して印刷できるのであれば、色調の問題でのチェックとふるい落とす作業を検査工程から排除することができるのです。そうした面でインプレスコントロールは品質上のメリットが大きいです。
J編: 今後の展望を伺えますか?
今までの育成の仕組みではものづくりを支えられないと思っています。そのため、熟練した人の技術をベンチマークに定め、若い方を含めて相互に共有できるシステムを組みたいと思います。
時代の変化にともなって、医療全体や、付随する医療品・医薬品マーケットも変化します。この業界に限ったことではありませんが、そのような変化の中で旧態依然とした工場、会社は淘汰されていくと思います。
弊社が現在新しい工場を建てているのも、省力化を追求し、より少ない人数で最も効率のよい生産をしていくためですので、そうしたものを実現し、勝ち残っていきたいと思っています。