おはようございます。
今日から2回に渡って、先日行われたバーチャル ドルッパ 2021 で、ハイデルベルグが配信した”人口知能(AI)”についてのエキスパートトークを日本語訳にてご紹介します。ハイデルベルグ本社でプロダクトマネジャーを務めるロレーナ・ホフマンがモデレータとして、エキスパートとしてデニス・ロスマネック、オリバー・デムスの2人が登場します。まだ日本語字幕が入っていませんが、よろしければビデオもいっしょにご覧ください。それではどうぞ!
ロレーナ・ホフマン(LH):こんにちは、バーチャル ドルッパ 2021 へようこそ!私は、ロレーナ・オフマンです。今日は、ウィスロッホ・ヴァルドルフにあるハイデルベルグのイノベーションセンターに皆さんをお迎えできることを嬉しく思います。エキスパートであるデニス・ロスマネックとオリバー・デムスにも参加してもらい、人工知能 (AI)について、そして人工知能 (AI)は印刷メディア業界にとって何を意味するのかをお話してもらいましょう。デニス、人工知能は確かに大きなトレンドになっていますが、その言葉の意味とは一体何なのでしょうか?
デニス・ロスマネック(DR):ありがとう、ロレーナ。人工知能は、何もそれほど新しいものではありません。私たちは、このトピックについて、実は1950年から議論をしているのです。科学者が完全に自動で考え、学べる機械について研究を始めた時から。今日、AIという言葉は幅広く使われています。例えば、自動運転、医療診断、音声アシスタントなどのインテリジェントな機能です。例えば、スマートフォン、私たちは毎日、スマートフォンでAIをベースとしたインテリジェントアプリ、例えば、Siri (Apple)、Alexa (Amazon)、Cortana (Microsoft) などを利用していますよね 。AIは、特に、専用の特定のトピックに関しては役に立ちます。人間にはとても処理しきれないデータ量を、高速かつ高効率で処理することができます。AIは、特定の利用においては私たちの能力を大きく超えるパフォーマンスを発揮するのです。しかし、現在利用できるAIは、人間の脳の全般的な能力とは程遠いものです。重要なのは、フォーカスしたトピックのためにデータを使うことです。
印刷に関しては、例えば、用紙搬送の最適化です。以前は、特定のルールに基づいて最適な特性曲線を選択した固定アルゴリズムによって行われていました。これらの特性曲線は、一連のフィールドテストで事前に手動で確立されています。言うまでもなく、これには大変な労力がかかります。が、今では、コンピュータがこれらを完全自動で、すべてのプリセッティングカーブを準備します。これが人工知能の始まりです。人工知能に関連する用語の多くは、方法論的手法に関連しています。例えば、ニューラルネットワーク、機械学習、ディープラーニングなどです。すべては、画像や動きなどのパターンを特定することに関連しています。アルゴリズムは、検索エンジンの動作と同様に、繰り返し起こるイベントをより正確かつ迅速に分類するのに役立ちます。
LH:では、人工知能が何十年も前からあるのであれば、なぜ今こんなに大きな話題となっているのでしょうか?
DR:まず、多くのプロセスがネットワーク化されていることが挙げられます。インターネットを考えてみてください。インターネットはどこにでもあるし、それにより私たちは、今まではとてもできなかった多くのことができまるようになっています。そして、このことはまた、私たちにたくさんのデータを集めることも可能にしています。機械、モノのインターネット(IoT)、数十億人のユーザーがデータを毎日生成しているのです。さらに、このデータをすべて活用するにはコンピューティングパワーが必要です。スマートフォンを思いだしてください。今、私たちが使っているスマートフォンは、アポロ11号がミッションの最初にもっていた何倍も多くのコンピュータの能力を持っているのです。別の見方をすると、システムも、すべてのこのデータを処理する能力も持っていなければならないということです。もし、これらのデータを集めて私たちのデータハウスのひとつ、つまりクラウドですが、それらのデータを送れば、さらに今まで私たちが過去に考えたこともないような新たな可能性の扉をあけることになるのです。そして、AIがなければ、これらすべては不可能です。
LH:まとめさせてください。3つの事実がありますね。ひとつめは、データはどこにでも存在し、いつでも転送できるということ。2つめは、十分なコンピューターの容量があるということ。そして3つめは、この大容量のデータから得られる目に見えるベネフィットを得たいという大きな要求があるということですね。これは、AIを利用するには理想的な条件ということですね。
オリバー・デムス (OD):はい、私たちが今まで見ていたデータの見方は、既に過去のものです。AIは、その認知能力を使用して、提案や推奨または自律的支援を提供します。先ほど述べた音声アシスタントやアプリを見てみましょう。それらは、ルーチンを特定し、提案や回答、推奨をします。それらは、基本的に情報を収集、照合、処理します。そうすることによって、私たちはより良い世界、または、より容易な世界を迎えることができます。
LH:これまで、我々は非常に一般的なレベルでAIについて話してきました。それでは、印刷メディア業界に焦点を当ててみたいと思います。人工知能は印刷の世界にどのような影響を与えているのでしょうか?
…..続く
さて、いよいよ人口知能の印刷メディア業界での影響について話が進んでいきます。次回をお楽しみに!