おはようございます!
今週は、欧米のビジネス界では非常に一般的なソーシャルネットワーク Linkedin に掲載された ”Sustainable Packaging Production: ready to start!”というタイトルの記事を日本語でご紹介します。この記事を書いたのは、ハイデルベルグ本社で、Business Development Packaging のトップを務めるカースティンハーザです。それでは、どうぞ!
サステナブルなパッケージ生産:準備OK!
紙製の折り箱がますますプラスチックのパッケージを置き換えていることは見逃せません。しかし、多くの場合、プラスチックの使用を少なくするだけでは、もはや十分ではありません。BtoBにおいても、また、BtoCにおいても、プラスチックを完全に排除しようとする努力がここ最近多く見られます。こうした活動は、これまでは付加価値のようなものでしたが、今ではサステナブルなパッケージを提供することは競争上必要不可欠なものとなっています。
グローバルブランドがサステナビリティを推進
ロレアル、ネスレ、コカ・コーラ、ユニリーバなどの多国籍企業大手は、サステナビリティを成長と競争力を確保する上で重要な戦略的要素と考えています。彼らは、排出量が小さい再生可能およびリサイクル可能な材料から作られたパッケージソリューションに数百万ドルというお金を投資しています。さらに、これらの強力な市場プレーヤーは、世界中で変化を促進していますが、それは、彼らだけに限ったことではありません。ますます多くのブランド品の中小企業も、一部では気候中立性や循環経済の達成などに向け、非常に野心的なサステナビリティの目標を掲げ、アクションを起こしています。
消費者の圧力は世界的に、特にアジアで高まっています。
欧米の先進国だけでなく、世界中の消費者は、ブランド品の製造業者が信頼できるサステナブルな慣行を採用することを期待し、それに応じて購買行動を変えています。調査によると、特に中国、インド、インドネシアでは、より高い価格を支払ってでもサステナブルなパッケージを選択する人が増えています。
出典:マッキンゼー・アンド・カンパニー、パッケージングにおけるサステナビリティ。新興アジアにおける消費者の見解 2021年3月
新しい世代の人達はそれぞれ、政府や企業が環境を保護するためにより多くのアクションを実行するように、消費者としての圧力を高めています。例えば、サステナビリティの重要性は、未来の活動家グレタ・トゥンバーグを含むジェネレーションZの中で最も高いランクに位置しています。
質問: 政府は環境保護のためにもっと多くのことをすべきだと思いますか?
出典:プロカートン、ジェンZ – 未来は彼らの手の中にある 2021年6月
規制の「津波」
同時に、政府や州の組織は、より厳しい立法要件を導入しています。これには、ヨーロッパのパッケージとパッケージ廃棄物指令、単一用途プラスチック指令、拡張生産者責任(EPR)ポリシー、二酸化炭素排出量を最小限に抑えるための措置(PEF:製品環境フットプリントなど)が含まれます。
ヨーロッパのパッケージ業界では
すでに規制の「津波」が
話題となっています
中国は、過剰な包装に新たな制限を設けて標準化法を発表しました。この法律は、消費者向けの食品や化粧品の包装における空きスペースと不必要な材料消費を削減し、環境フットプリントを削減することを目的としています。
需要の拡大をビジネスチャンスに変える
特に折り箱をビジネスとする印刷会社には、新たなビジネスチャンスが開かれています。紙と板紙は再生可能な原材料で作られており、リサイクルが容易で、消費者の間ではるかに人気のある選択肢となっています。
出典:プロカートン、第2回欧州消費者包装認識調査 2021年5月
ブランド品のメーカーは、これらの優位性を利用しています。例えば、プラスチックを紙や板紙に置き換えて、パッケージをよりサステナブルなものにしています。一部のメーカーは、自社製品のデザインを適応させ、折り箱に包装できる固体の形でシャンプーやボディローションなどのアイテムを発売しています。
バリューチェーン全体が変化しています
パッケージングバリューチェーン全体の企業が
開発に
対応しています
より多くの用紙、板紙メーカーが、革新的でサステナブルな製品をポートフォリオに加えています。その一例が、パルペックスと共同で工業規模で紙のボトルを生産しようとしているStoraEnsoです。折り箱生産者は、環境に優しいパッケージのメーカーを買収し、紙や板紙用のリサイクル可能なバリアコーティングなどの革新的なソリューションを開発しています。つい最近、カードボックスパッケージンググループは、サステナブルなバリアコーティングを施した紙コップを生産するオーストリアのパッケージ会社Valuepapを買収しました。
業界間のアライアンスである4evergreen(4エバーグリーン)の目的は、2030年までに繊維ベースのパッケージの全体的なリサイクル率を90%に引き上げることです。バリューチェーン全体のコラボレーションは、繊維ベースのパッケージのライフサイクル全体像を明らかにし、持続可能で気候中立な社会に貢献しています。ハイデルベルグ社は2021年10月から4evergreenのメンバーです。
カーボンフットプリント全体が重要
原反として紙や板紙を使用することはとても良いことですが、それだけでは十分ではありません。ウォルマートやロレアルなどブランド品の小売業者やメーカーは、2025年までに温室効果ガス排出量を削減するという野心的な目標を設定しています。
彼らは環境パフォーマンス全体を改善する必要があり
彼らのサプライヤーのカーボンフットプリントが
ここで役割を果たします
より多くのブランドが、ブランドとラベルにカーボン参照を統合し始めています。ユニリーバは、北米またはヨーロッパで最大24の製品でカーボンフットプリントラベルをテストすると発表しました。
しかし、パッケージの二酸化炭素排出量を設定することは、ブランドオーナーが考慮しなければならないコスト要因でもあります。
パッケージメーカーにとって
可能な限り最小のカーボンフットプリントで
パッケージを製造する能力は
入札の際に重要な
成功要因になりつつあります
それは折り箱メーカーにとって何を意味するのでしょうか?生産工程中の原反1トン当たりのカーボンフットプリントは、継続的に削減する必要があります。これはすべて、パッケージが最初に開発される時から始まります。様々な設計や材料を比較し、そのサステナビリティをチェックする必要があります。その他の対策としては、再生可能エネルギーの利用や、エネルギーをできるだけ少なく、資源を節約する最先端の生産技術が挙げられます。
ビデオクリップは、パッケージ生産をサステナブルにする方法を示しています
ハイデルベルグでは、お客様の需要にこたえるため、気候中立でサステナブルなパッケージを生産する方法を示すミニシリーズのビデオクリップを作成しました。クリップは今後数週間にわたって徐々にリリースされる予定です。是非、ご覧ください。!
次のトピックをご参照ください。
・省資源 – 紙廃棄物の削減から消耗品の使用削減まで
・エネルギー効率の高い機械・プロセスを用いたエネルギー消費削減
・カーボンニュートラルな生産機械と相殺
・ハイデルベルグの環境活動に関する洞察
クリップはここをクリックしてハイデルベルグのウェブサイトで入手できます(英語)
*サステナビリティトーク パート1: パッケージ印刷におけるサステナビリティ (日本語字幕)はこちら。
*ハイデルベルグジャパンも、Linkedinにアカウントを持ち、情報を発信しています。皆様、是非、Linkedinでも繋がりませんか!