おはようございます!
ハイデルベルグが、前回の drupa から世界の印刷業界に向けてその重要性を発信している OEE。最近は、さまざまな場面でこの言葉を聞くようになりましたが、皆さん OEE とは何か説明できますか?“ウッ!?”となった方、心配ご無用!今日はそういう方のために、再度 OEE についてお話をさせて頂こうと思います。なぜなら、私たちハイデルベルグが今2020年、皆様にお届けしたいメッセージの中でもこの OEE はとても重要だからです。
生産性とは何か?
私たちはよく生産性という言葉を使いますが、一体生産性とは何でしょうか? 就業中に機械の電源が入っていた“時間”でしょうか?それとも、その機械が1時間あたりどのくらい生産できたかの“速度”でしょうか?それとも、“良品”をどのくらい生産したかでしょうか。機械に電源が入っていても、動かして生産していなければ生産性が高いとはもちろん言えません。また、就業中いくら長い間機械を動かしていても毎時18000回転で生産できる機械を9000回転で動かしていたのでは、生産性が高いとは言えません。さらに、毎時18000回転で生産していてもその半分が不良品では、これも決して生産性が高いとは言えません。
OEEとは…
そこで、登場するのが、OEE です。 OEE は、英語で Overall Equipment Effectiveness の略、日本語では総合設備効率。もともと公益社団法人日本プラントメンテナンス協会によって開発・提唱されたと言われています。そしてこの OEE が優れている点は、汎用的であり、異なる産業であっても比較することが可能な生産性を示す指標である点、そして何と言っても時間、速度、良品効率をカバーする総合的な生産効率の指標であるという点です。
具体的には、OEE は、時間効率、速度効率、良品効率の積で算出されます。
時間効率は、機械稼働時間 ÷ 電源オン時間
*印刷機で言えば、実際に印刷していた時間の割合です。従って前準備時間や生産中の予期せぬ中断等の時間が多ければ時間効率に大きな負の影響を与えます。多品種少ロットの今、30分印刷するために30分の準備をしていたら、時間効率だけで50%になってしまうことになります。
速度効率は、機械の生産速度 ÷ スペック最高速度
*印刷機で言えば、印刷速度、最高印刷速度毎時18,000枚のスピードマスターXL106を例にとれば、もし毎時9,000枚で印刷していれば、速度効率だけで、50%になってしまうことになります。
良品効率は、良品の数 ÷ 総生産数
*印刷機で言えば、印刷したOKシートの割合です。言うまでもなく見当や色合わせのためのヤレ紙は良品効率に負の影響を与えます。やはり多品種少ロットの今、500枚印刷するのに250枚ヤレ紙を出していたら、はやり良品効率だけで、50%になってしまいます。
上記3つの 50% をかけると、OEE はわずか12.5% = 50% x 50% x 50% ということになります。さて、OEEご理解頂けましたでしょうか。
大切なのは、ではこの OEE どうやって上げて行ったらいいのか?答えはシンプル、上記の負への影響をできるだけ小さくすることです。つまり、
―前準備時間をできるだけ短くする
―生産中の予期せぬ中断をできるだけなくす
―できるだけ機械を最高スペックで動かせるようにする
―できるだけヤレ紙を少なくOKシートを印刷する
等々です。
そして、まさにこれらをデジタライゼーションやオートメーションによって解決できるようなイノベーションやソリューションを、ハイデルベルグはご提案しています。Push to Stop、プリネクトプロダクションマネージャー、ハイデルベルグアシスタント、プリントサイトコントラクト、ハイデルベルグユーザーエクスペリエンス(UX)………等々。
また、最近ハイデルベルグは、”イエローバー” というものに注目しています。これについては、また次の機会にお話させて頂きます。
“OEEを何とかしたい!というお客様は、是非、ハイデルベルグ・ジャパン (03-5715-7374) までご連絡ください。