おはようございます。
今日は後加工ソリューションのエキスパート、ハイデルベルグ・ジャパンの足立に、小ロットパッケージソリューションについて語ってもらいました。どうぞ!
折り箱が150年以上にわたってパッケージングの世界で従来の形を残し、市場に愛され続けているのには理由があります。製品の持つブランドメッセージを大切にするために、まったく同じプラットフォームの箱を提供し続けていたり、折り畳んで積み重ねたり、製品を容易に充填したりできる利便性は他にはありません。折り箱の主な目的は内部の製品を保護する事ですが、今では、製品の認識とブランディングに焦点を当てて、視覚的に強いパッケージを作ることも目的の一つになっています。それによって、折り箱は着実に購入決定に影響を与えるためのより重要なツールになっており、印刷市場の中でも重要な製品の1つとなっています。現在、更に小ロットのパッケージングがフォーカスされており、それを印刷市場でどの様に収益を上げるかが重要になってきています。
市場の少ロット要望に対してのKAMAの挑戦
KAMAの提供するソリューションは、少ロットのパッケージングを収益性の高いビジネスへと導くのを目標にしています。小ロットのパッケージは、VDP (Variable date printing:可変印刷)によるバージョン管理、多数のSKU (Stock keeping unit:最小の管理単位)、及びオンデマンドに関連する少ロットの注文などから需要が増えています。これらの小ロットの絶え間ない仕事を生産するには、素早い切り替えが要求されます。また、SKUの中にも大ロットの注文も当然あります。その中には小ロットの注文が含まれたりします。ますます、小ロットの生産と納品は毎日、毎週、または毎月の「ジャストインタイム」納品を要求されます。少ロットのパッケージ生産におけるパフォーマンスとコストは、そのプロセスに大きく依存します。大量生産向けの高速生産機は、数百万部に達する生産工程にとって重要ですが、小ロットの生産には、ジョブとジョブの間、つまり次のジョブへの切り替えが重要になるのです。KAMAの提供するソリューションはこうした課題にチャレンジします。
デジタル印刷が創り出す新しい芸術
これらの製品は長い期間使われ続けるのですが、そこには多くの変革の可能性があります。その一つがデジタル印刷の登場です。デジタル印刷は折り箱を完全に新しいツールに変化させようとしています。季節のイベントや地域に合わせた様々なデザインのバージョンやパーソナライズされた製品を短期間に提供することが出来るようになりました。サイド貼りや底貼りの実証された形状は変化していませんが、多種の印刷イメージを取り入れることでそれらの価値を更に高めます。また、折り箱は環境に配慮されており、持続可能なソリューションであり、そのほとんどがリサイクル可能になっています。折箱の中には未使用のままで処分される事があるのも事実です。これは製品またはマーケティングの変更により製品が短期間に変更になることが理由のようです。これらの場合、クライアントがSKUの見直しやオンデマンド印刷などの印刷方式への切り替えの議論が生まれてきます。KAMAが提供するソリューションは、それらの要望に応え、折り箱生産を収益性の高いものへと導きます。
市場からの要望で開発されたフォルダーグルアー
細かな単位のSKUとデジタル印刷された小ロットの折り箱生産で、収益を確実なものにするためには、費用対効果の高いフォルダーグルアーが必要になります。KAMAはこれらの要望の解決策として完全自動セッティング機能を搭載したFlexFold52iフォルダーグルアー(以下:FF52i)を開発しました。
このFF52iはモーターによる自動調整機能を各モジュールユニットに搭載、わずか数分の記録的な時間で機械の切り替えを完了することが可能になりました。つまり、FF52iはサイド貼りや底貼りなど1日あたり100件を超えるジョブ数を処理することができます。
驚異的な速さのジョブチェンジ
FF52iは、ボタンを押すだけで次のジョブへの切り替えを開始し、次のジョブに必要な寸法に合わせて各ユニットが自動的に調整されます。フィーダー、予備折、折りユニット、糊セクション全体がモーター調整され、正しい位置に移動します(KAMA特許)。 これにより、5分以内に切り替えが完了します。
革新的なFF52iは、「ベストフォールドカートンソリューション」(European Digital Print Association)でEDPAward2017を受賞しました。