おはようございます!
連載でお届けしておりますスピードマスター102のシリーズの8月号です。
今回のテーマは「パッケージ印刷で効果を生み出すソリューション」ということで、後加工の技術進歩と同時に、個別包装や商品そのものを表現するということで、最近ますます勢いのあるパッケージの分野におけるソリューションを探っていきたいと思います。引き続きデジタルテクノロジー オフセット印刷機担当スペシャリストの木下氏よりお話ししてもらいます。
関連記事はこちらをクリック
・102フォーマットの魅力を再発見いただきたく、私登場しました!
・外見からはわからない、ハイデルベルグの印刷機の根本的な違いって何?
・ジョブチェンジが多い、ショートラン中心のお客様が生産性アップを実現するには?<前編>
・ジョブチェンジが多い、ショートラン中心のお客様が生産性アップを実現するには?<後編>
・リピートジョブで生産性を上げるには?
パッケージ印刷を行う場合、厚紙/カードボードでのご苦労といえば、ひとつはフィーダーですね。
カードボードではおちょこになってしまっている用紙もあります。
「フィーダーから紙が出ていかない!」
「普通紙のように角を折ってまっすぐに出来ない!」
とやっかいなことが起きるフィーダーは印刷機の重要ポイントの一つです。
ハイデルベルグのフィーダーボードは通常シングルテープで曲がりの無いように用紙を送りますが、スピードマスターCD102はその上に用紙を押さえるキットが付けられます。このような経験が多い方には、普段は外して、必要な時だけセットするという便利もの、「カードボードキット」はオススメです。
また厚紙/カードボード印刷の場合には紙粉も多いですよね。何千枚かに1度は圧胴を手拭きすることも少なくないのではないでしょうか。
ハイデルベルグ印刷機では、1胴目に紙粉取り用のローラー(サクションブラシローラー)を付けることが出来ます。これをつけることによって、ゴミつきやゴミを拭き取る作業を軽減します。
さて、パッケージ印刷で欠かせないのは特殊原反ですね。
蒸着紙や透明原反などの特殊原反では、異なるフィーダーでの悩み事が発生します。それは静電気です。
加湿をしていても原反が電気を帯びてしまうと簡単には除去できない場合が多々あります。
スピードマスターCD102は、標準で電気式、超音波式の多重差し検知、二枚差し検知、さらに機械式の二枚差し検知をオプションで追加できます。予期せぬ用紙の飛び込み防止だけでなく、印刷機の故障を事前にストップさせるという目的で装備しています。
標準の装置のほかに特徴的なのが、特に静電気が起きやすい蒸着紙や透明原反用として、サッカーや用紙押さえ、ブロアーなどが追加できる「フォイルキット」という装置も、必要に応じてフィーダーにセットできるオプションをご用意しています。
前述したようにパッケージ印刷には特殊原反が欠かせませんが、
特殊原反に印刷するためにはUVが必要ですね。
スピードマスターCD102は、25年前からUV仕様が選択できるようになっており、ハイデルベルグ印刷機の中では一番古い大先輩なのです。
その当時からドイツのUV装置開発会社であるIST社とパートナーを組んでおり、開発段階からともにUV装置を設計、後付けとは全く異なる効率と作業性と効果を上げています。それが最高印刷速度15,000枚/時でも全く問題のない硬化に繋がっている理由です。
もちろん機械と一体になっているので、外からUV光が見えるようなUV漏れなどはありません。
自社生産で品質管理を徹底しているIST社は、現在までに10万本以上の実績があり、数年前より販売を開始した、LE(ローエナジー)タイプのUV装置もCD102には取り付けることが出来ます。トータルのUVの本数や、インターデッキの位置が固定などの条件が合えば、UVランプの硬化は変わることなく、エネルギーを抑えて効率よく照射するタイプです。LEDが一番省エネタイプと思われるかもしれませんが、実はこのLE UVも負けてません。
以前は、UV=パッケージという印象でしたが、現在では商印の場合にも、乾燥待ち時間をゼロにする効果を期待し、乾きにくい用紙や、短納期で断裁/折り加工にすぐにまわしたい場合、さらに、パウダーのぼた落ちでの印刷エラーを防ぐためにUVに切り替えていることもありますね。その場合は、LEDを選択されることが多く見受けられます。
つまりCD102は、①従来からのUV、②ローエナジーのLE UV、③長寿命省電力のLED UVと3つの選択肢からお選びいただけます。プレスセンターからの操作で、オペレーターの導線もスムーズです。
UVを使用して、ブランケットや圧胴洗浄を行いたい時、ランプ消灯と冷却→洗浄→洗浄液の乾燥→ランプのウォームアップと、一般的に、安全のため10分ほど待機時間が必要になりますが、ハイデルベルグ印刷機では純正のUV装置用オプションの「インスタントスタートUV」を使用することで、この待機時間を2分に短縮することが出来ます。これはUV装置と一緒に開発してきたノウハウで、UV装置ご購入の際には使っていただきたいオプションです。
さて、パッケージのジョブには、箱の中に同封する能書や、化粧品や電化製品の説明書など、薄紙のジョブもセットで受注することもあるでしょう。
スピードマスターCD102は、このような薄紙からカードボードのような厚紙の0.03mm~1mmまで、爪の高さ調整は一切不要で、エアで非接触なエアトランスファーシステムで用紙を転送出来るというの最大の特徴の一つがあります。
セッティングはデータを入力転送するだけ。あとはCD102が自動的に判断します。
受け渡しが3倍胴のスピードマスターCD102だからこそ、厚紙でも安心していただけるんです。
さて、今回も実際に導入いただいたお客様の生の声をご紹介いたします。
生産性をアップするためには、このような時間削減が重要ですね。
導入事例: 文化堂印刷株式会社様