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先日、ドイツのハイデルベルグ本社と、ハイデルベルグ・アジアパシフィックより、それぞれの地域における枚葉印刷機の製品部門責任者が来日しました。この機会を利用して、J-Connectでは、枚葉オフセット印刷の未来や日本市場への期待、展望について、インタビューをしてみました。
先日J-Connectで掲載しましたドイツ・ハイデルベルグ社の製品責任者ライナー・ボルフに続き、本日はアジアパシフィックのシートフェッド製品部門の責任者を務めるダグラス・ムーニーのインタビューをご紹介いたします。
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J-Connect編集部(以下、J編): まずはご自身について簡単に伺えますか?
日本の皆様はじめまして、私はダグラス・ムーニーと申します。私は20年前にハイデルベルグに入社し、様々なポジションを務めてきました。現在は枚葉オフセット印刷機と、B1デジタル印刷機のプライムファイア106のアジアパシフィック地域のマネージャーを務めています。
J編: 今回の来日の目的は何ですか?
私の担当業務のひとつには、マーケットの要求に応えるためにハイデルベルグ・ジャパンのプロダクトマネジメントチームと密な連携を取っていくことが含まれます。さらに、日本は世界の印刷産業の中で技術的な中心地であり、自分自身で直に状況を把握することによって、現在のトレンドやお客様からの要求に対する洞察が得られるとともに、他の国、地域にも共有できるのです。
J編: 日本のマーケットをどのように捉えていますか?
私にとって日本のマーケットは「極めて多様」という印象があります。日本は新しいアイディアやテクノロジーを具現化し、つねに世界の印刷産業をリードしてきています。パッケージ印刷会社は差別化を図るためにUV印刷などの新しいテクノロジーの導入に余念がなく、また商業印刷会社は高度な自動化とPush to Stopの導入による生産性の向上にフォーカスしています。
各印刷会社はつねに品質を追求した生産を行っており、その結果として、日本の印刷品質は最高のものとなっています。そして私たちの製品の導入ボリュームが毎年伸びていることからも、日本の印刷業界は比較的安定していると思います。
J編: 日本のお客様に向けて、どのようなメッセージがありますか?
印刷と技術革新において、日本は今後も世界をリードし続けます。そして自動化とデジタル化に向けて産業全体が移り変わる中においても、私たちの強い存在感とサポートネットワークによって、ハイデルベルグ・ジャパンはお客様をサポートいたします。
J編: デジタルの時代、そして多くのデジタル印刷機が登場している中で、枚葉オフセット印刷機の未来をどのように考えていますか?
ビッグデータ、つまりプロセスのデジタル化とビジネス分析ツールは印刷業界においてさらに重要となります。スピードマスター印刷機のオペレーティングシステムによって、私たちの製品はさらにデジタルワークフローへ統合されます。2019年版のスピードマスター印刷機は完全にデジタルによってコントロールされており、もはやデジタル印刷機との違いは刷版を使用する点のみと言えるほどです。そしてその刷版もデジタルで出力されています。私はこれらをデジタルコントロールされたオフセット印刷機と表現したいです。
そのため、使いやすさ、前準備の早さ、高い生産スピードによってオフセット印刷機は極めて高い競争力と生産力を未来に渡って発揮し続けます。
ハイデルベルグはオフセット印刷機のみならず、インダストリアル、またはパッケージ市場向けのデジタル製品の開発に全力を尽くしています。
drupa2016で初めてご紹介したXL106のプラットフォームをベースとするB1インクジェットデジタル印刷機のプライムファイア106は、日本のお客様に増加するバリエーションに対応する小ロット生産などの新たな可能性を提供し、また多言語対応、パッケージサイズや最終段階での急なデザイン変更などの変化する顧客要求に対して、迅速に対応できる能力を備えています。