おはようございます!
10月11日のプレスリリースで、ハイデルベルグ・ジャパン株式会社は、石川県白山市にある株式会社北陸サンライズ様とハイデルベルグ サブスクリプション契約を日本で初めて締結したことをお知らせいたしました。
今回のJ-Connectでは、そのハイデルベルグ サブスクリプションの日本の責任者である、ライフサイクルソリューションズ本部ゼネラルマネージャーの紀 世志広氏に話を伺いました。
J-Connect編集部(以下J編): 今日のテーマは、ハイデルベルグ サブスクリプション。
ハイデルベルグ・ジャパン(WHO)は、印刷物というアウトプット(WHAT)を、お客様が成功するための選択肢を増やすため(WHY)に、サプスクリプションという方法(HOW)で、2019年(WHEN)、日本での(WHERE)販売を開始しました。
今日は、この新しいビジネスモデルについて、5W1Hを使ってお伺いしていきたいと思いますがよろしいですか?
紀: もちろんです。私も責任者として、日本の多くのお客様にハイデルベルグ サブスクリプションについて正しく理解していただければと思っています。
J編: それでは早速Whoからですが、これはハイデルベルグ・ジャパン独自のビジネスモデルですか?
紀: いえいえ、もちろんハイデルベルグ・グループ全体、世界で進めている、ハイデルベルグにとって戦略的に非常に重要な新しいビジネスモデルです。
J編: 次に、この新しいビジネスモデルで販売しているWhatについてご説明いただけますか?
紀: はい、従来のビジネスモデルとは異なる一番大切な項目ですね。
ハイデルベルグがサブスクリプションという新しいビジネスモデルで、何(What)を売っているかというと、まずは印刷機やソフトウェアなどを売っているのではないという事がポイントです。
このビジネスモデルで私たちが販売するのは、提供した装置やソフトウェア、消耗品、サービスなどを利用してお客様が生産したアウトプット=印刷物だということです。
J編: …ということは、このビジネスモデルではお客様は印刷機械を購入するために大きな投資をする必要がないということですか?
紀: はい、その通りです。お客様は印刷機械を購入するために大きな投資をする必要はありません。
印刷機やソフトウェアはハイデルベルグがお届けし、印刷物を生産するために必要となる紙を除く印刷必需品の選択・購入、ソフトウェアのアップグレード、また印刷機が100%能力を発揮するためのメンテナンス、またそれを使うオペレータのトレーニングもハイデルベルグが責任を持ってご提供させて頂きます。
J編: では次にWhy。なぜ、ハイデルベルグは、サプスクリプションというビジネスモデルを導入したのでしょうか?
紀: 今、印刷会社を取り巻く環境は激変しています。デジタル化が進む中でさらなる少部数や短納期など、印刷会社にはクライアントから日々新たなチャレンジが突きつけられています。一方、今後も印刷会社が成長し続けるためには、新たな仕事の獲得や将来に向けての製品やサービスのイノベーションがますます重要になっています。
こうした環境に対応していくには、今利用できる設備やソフトウェアのポテンシャルをフルに生かさなければなりません。一方、印刷会社は生産にばかりリソースを使ってはいられません。もっとクライアントのため、また新たなビジネスの戦略のために時間やリソースを使わなければなりません。
こうしたニーズに応えるため、つまりお客様の成功への選択肢を増やすために、ハイデルベルグは従来のビジネスモデルに加え、サブスクリプションモデルを導入しました。
J編: ということは、引き続き機械の販売もしていくということですね?
紀: もちろんです!ハイデルベルグ サブスクリプションは、あくまでもハイデルベルグの製品、サービスをご利用していただくためのひとつの選択肢にすぎません。
従来通り、機械の販売は引き続きやっていきます。極端な言い方かもしれませんが、音楽や映画も購入することもできますし、サブスクリプションで楽しむこともできますよね。それと同じように、お客様のご要望に合わせてご利用いただければと思います。
J編: では次は、いよいよHowです。もう少し具体的にどのようなビジネスなのでしょうか?
紀: 今、さまざまな業界、企業でサブスクリプションモデルが紹介されていますが、それぞれ細かなところは異なります。
ハイデルベルグ サブスクリプションでは、契約を結んでいただいたお客様には、設置された機械に対して月額の固定費と、あらかじめ設定された月あたりの生産枚数を超えて印刷した用紙の一枚一枚に対しての代金をお支払いいただくことになります。
あらかじめ設定する月間の生産枚数、また一枚一枚の代金に関しては、それぞれのお客様によって異なります。あくまでお客様の現在のパフォーマンス、また印刷工程における製造原価をベースにお見積をさせていただきます。
設定する月間の生産枚数と価格を決めるために、お客様には生産情報、製造原価などの正確な情報をハイデルベルグとシェアしていただき、ハイデルベルグ本社を含めて行われる綿密な計算により双方の合意のもとで決められることになります。
そして、この方法でポイントとなるのはお客様にとっても、ハイデルベルグにとっても、生産性を上げることによって、つまり月の印刷枚数を増やすことによって、より利益が得られるような仕組みであることです。
従って両者の目標はOEE を最大限に上げることになります。別の言い方をすればお客様とハイデルベルグは完全にウィン-ウィンの関係ということです。
J編: 次にWhenですが、世界ではいつからスタートしたビジネスモデルなのでしょうか?
紀: 10月11日のプレスリリースでお知らせしましたように、日本では2019年9月の株式会社北陸サンライズ様が初めての導入となりましたが、世界では1年前の2018年4月のオーストリアのクランプファー社が初めての導入ケースとなります。すでにポジティブな結果が報告されていますのでこちらを参照いただければと思います。
J編: 最後にWhere。他の国での状況はいかがでしょうか?
紀: 日本以外ではヨーロッパ、アメリカ、中国、インド、オーストラリアなど、すでに世界40社でハイデルベルグ サブスクリプションは導入されています。
J編: ハイデルベルグ サブスクリプションについてよく理解できました。また、新たな動きがありましたらご登場願います。ありがとうございました。
紀: ありがとうございました。サブスクリプションについてはハイデルベルグ・ジャパンからビデオがリリースされていますので、是非そちらもご覧ください。