おはようございます!
あのアンソニー・サールビーへのオンラインでのスペシャルインタビュー、第5回目をお届けします。自分は”印刷屋ではない。印刷物製造会社だ。”と言い放つアンソニーが、設備のサービスについて、そしてデータについて、どう考えているかを語ります。
J-Connect編集部(J編):サービスコールを利用するのではなく、サービス契約をしていますね?
アンソニー・サールビー(AT):そのとおりです。運転コストを固定したいからです。これは私が非常に力を入れてきたことです。日本のハイデルベルグの同僚やお客様ともそれについて話したことがあります。私は、サプライズを求めません。言ったように、2月に運転を開始したときは、20万枚を少し超える程度のビジネスでしたが、9月には400万枚を切る程度の枚数に達していました。私たちのランニングコストはゼロです。なぜなら、以前は使用率が極端に低かったですから。今、私たちは、新しい機械を導入するにあたって、さまざまなレベルのサブスクリプションスマート関連の契約について話し合っています。ここ12~13年間、私はサービスコストにサプライズは必要ないと固く信じてきました。私たちの事業方針として、3年から4年で機械を入れ替えることにしています。残存価値を考えると、整備と手入れは十分にしておく必要があります。その点で安心できない機械は絶対に購入しないでしょう。
J編:ナンセンスな質問かもしれませんが、もう一度聞かせてください。データはアンソニー、あなたにとってどれほど重要ですか?”
AT:いえ、そんなことはありません。興味深い質問だと思います。人間というのは目にするものによって不安になることがあります。私たちが買収した会社にそれほどの機会があるとも、また、部数がこれほど異なるという事実がそれほど問題になるとも思っていませんでした。事業を徐々に拡大しようとする場合ですが – 大きく成長したいけれど、スタートする前に、以前のビジネスを途切れさせたくはありません。そこで、受注、見積書、平均的な受注額、必要な売上の伸び、必要な従業員数、必要な現金創出、投資戦略について、7、8か月の計画を立てます。こうしたことは、単にこれが良いと思うだけでは決められません。戦略として考えていることが私の財政上の見通しに沿っている必要があり私は長年このことを固く信じてきました。
私たちは“印刷屋”ではありません。大きく異なる心構えをもったテクノロジーを原動力とする“印刷物製造会社”なのです。
ですから、私たちにとってデータはすべてです。データを見れば、どこで機械が空くかがわかります。組織としての製品レンジにフィットしないタイプの仕事から、どこで手を引けば良いかわかります。そして、さまざまなセクターのさまざまな事業を立ち上げたり、買収したりしながら、利益を拡大する必要があります。利益をむしばんではいけません。成長のためにしていることの確実な損益分岐点を知るために常にデータを利用してきましたが、グリーティングカード市場にも大きなチャンスがあり、これを結果に結び付けたいと考えています。私たちがこの市場に参入する理由は、これまでデータ主導型ではなかった市場で競争するための製造プラットフォームがあるからです。こちらでは業界として、古くからの関係が重視されてきました。そうして、構築されてきたのです。私たちは、アーキテクチャとインテリジェンスを利用し、自分たちを異なる次元に推し進めようとしています。たとえば100万ポンドの投資をすれば、最終利益の観点から事業にどのような影響が出るかをはっきりと理解しています。つまりこれは、データのためにデータを使っているのではありません。データとは事業とあらゆる意思決定プロセスを促進するためのものです。
J編:社内ではどうやってデータをシェアしていますか?
AT:毎日、毎日です。すべての部署は情報を共有します。私たちには、ハイデルベルグ アシスタントがあります。PrintOSがあります。そして、BMISがあり、Power BIがあります。人々に伝えようとする内容が、質的、量的に誇張されてはいけません。人々が聞きたいのは朗報ですが、悪い知らせがあるときは、組織内で何が起きているかを改善のために知りたいのです。そこで各部署では…常にシステムおよびアプリを見て、たとえば受注件数や受注額を毎日更新するというカルチャーがすでにできあがっています。シンプルAPIのようなものですが -毎週、前の週に組織としてしたことのスナップショットを撮っています。私にとってさらに大切なのは、今後どのぐらいの生産容量があるかなということなので、そのデータも共有します。なぜかと言うとオペレータは、「忙しく」なると非常に集中して、先に機会があることを忘れてしまう傾向があるからです。
つづく
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