おはようございます!
今日から数回に渡り、「今更聞けないデジタルトランスフォーメーション」というタイトルで、ハイデルベルグ本社のホームページで発表されている印刷業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)に関するホワイトペーパー「デジタライザーション」の内容をご紹介していきたいと思います。
革命のための挑戦
人々がデジタルトランスフォーメーション(DX)について語る時、蒸気機関や組立ラインの導入を引き合いに出します。が、ヨハネス・グーテンベルクによる可動活字による活版印刷の発明に言及することはめったにありません。しかし、約600年前に印刷所によって引き起こされたメディア革命は、蒸気機関や組立ラインよりもはるかに多くの類似点があります。
ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、ワールド・ワイド・ウェブの発明者ティム・バーナーズ=リーのように、初期の印刷業者も革命家でした。なぜなら、彼らの仕事は、既存の知識を自由に利用できるようにすることで、他の無数の革新に刺激を与えたからです。 究極的に、それは、今日の新しいデジタルの世界秩序の基礎を築いた非常に生産的な情報源です。文字、画像、その他のシンボルは、この世界ではまだ表向き重要な役割を果たしていますが、実際にはすべてがデータを中心に展開しています。そして、そのデータは、新しいデジタル技術の開発を促進すると同時に、データドリブンな意思決定と新しいビジネスチャンスの基盤を創出するため、21世紀の石油と見なされています。
印刷業界は、2つの理由から、関連する変化によって特に影響を受けるでしょう。ひとつは、プリントメディア(印刷媒体)が、もちろん現代でも重要なメディアのひとつではありますが、デジタルによるコミュニケーションに直面して以前ほど重要でなくなっているという点です。また、もうひとつは、デジタルトランスフォーメーションは、競争に関してのゴールポストを常に動かしているという点です。つまりゴールは止まっていないということです。常に、学習し続けなければならないということです。そのためには、将来、最も成功することができるコマーシャルおよびパッケージ印刷会社は、プロセスをよりスリムで迅速にし、データからより多くのものを得、ますますデジタル化された環境の中でも、顧客のニーズにより効果的に適応できる会社だと言えるでしょう。それには新しい考え方や働き方が求められ、そのためには印刷業界のために鍵となる技術とその可能性を理解する必要があります。
そこで、このシリーズでは、デジタルトランスフォーメーションが印刷業界にどのような影響を与えているかを説明し、印刷会社がデジタライゼーション戦略を確立または拡大する際に考慮すべき技術の概要を解説していきます。また、デジタライゼーション戦略の策定に関連する主な側面にもスポットをあてていきます。
(続く)