おはようございます!
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、ハイデルベルグ・ジャパンでは、7月下旬に品川にあります本社にて、プライベートショーを開催いたしました。
昨年の話ですので内容を忘れてしまった方もいらっしゃると思います。ですのでJ-Connectでは内容のおさらいをしていきたいと思います。
今回は枚葉オフセット印刷機編で行ってみましょう!
本日はシートフェッド担当プロダクトマネージャーの曽篠氏にお話を聞いてみました。
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J-Connect編集部(以下、J編): Push to Stopの本命ともいえる、強いイメージがあるオフセットですが、Push to Stopをまとめると、どのようなことを意味しますか?
曽篠: “Push to Stop(プッシュ トゥ ストップ)”は、これまで達成できなかった高いレベルのパフォーマンスを目指す、新しいコンセプトです・・・が、話すと長ーくなりますし、掲載の方がわかりやすいので、こちらをご覧ください。
J編: なるほど。では前回のショーでは何をお見せしたか、概要を教えていただけますか?
曽篠: 菊全寸伸び版8色両面兼用機を使い、30分で12ジョブを刷了するデモンストレーションに挑戦しました。
海外では実際に60分で24ジョブを生産されているお客様もいらっしゃいますが、日本のお客様にご満足いただけるレベルの印刷を12台、しかも8色機で30分以内に仕上げる事は、大きなリスクのある挑戦でした。
J編: 相当大胆なチャレンジですね。デモを通じてどのようなメッセージを伝えたかったのですか?
曽篠: 話題に上ることの多い印刷機の自動運転が、技術的にはすでに実現可能な領域に達している事を実際に見て頂きたかったんです。
2016年に行われたdrupa2016では、3ジョブを8分間で刷了しました。この時もオペレータは制御装置に触ることはなく、「印刷機が生産を行い、オペレータがそれを補助する」様子は、大きなインパクトを生んだことと感じましたし、実際にこれらの自動化にお取組みになっているお客様が日本でも増え始めました。
J編: なるほど。改善の延長線にあるものではなく、全く新たな方向性が実現できるものを、実際に見て頂いたのですね。
そうですね。ハイデルベルグが掲げるSimply Smartは、日本語で表現するならば第四次産業革命に該当すると考えています。以前は考えもしなかった事が、世の中の常識となる事を「革命」とするならば、日本の印刷業界もまさに革命の岐路にあります。
例えば、印刷機の自動運転、品質管理から属人的プロセスを除き、システムで印刷品質を担保する点などが代表例として挙げられますね。
J編: ちなみに具体的にはどうやって、30分・12ジョブを達成したのですか?
曽篠: 30分で12ジョブの印刷を達成するためには、1秒たりともロスは出来ません。ムダがあっては本当に出来ないのです。
そのために重要なことは、印刷順序、ジョブチェンジプロセスの算出と最適化、そして品質管理から属人的プロセスを排除する事です。これらは人が考えて最適化を行うのではなく、ハイデルベルグが持つ特許技術によって行われ、デモの成功を支えてくれました。
J編: ここだけの話、どのような点で苦労しましたか?
曽篠: 印刷機単体の生産性が上がれば、トータルスループットが上がる訳ではありません。他の製品も同様ですね。そのため各製品の担当者が各々のソリューションを最大限ご紹介しようとした結果、話としてのバランスが悪いんです笑。ですので、デモ内容やその整合性については、長期間に渡って様々な議論が繰り広げられました。
例えば、自動化にかかせないプリネクトプロダクションシステムはもちろん、タッチポイントを極限まで減らすため版曲げまで行う、自動化された刷版出力装置や、印刷後に高速で加工を行う折り機、オフセット以外の可能性を追求するデジタル印刷機のバランスを取ることが大変でした。
J編: デモをご覧頂いたお客様からの評価やその後の反応はいかがでしたか?
曽篠: やはり自動化のインパクトは大きかったです。色と見当は印刷機がコントロールし、12ジョブをオペレータが一度も印刷機に触らずに刷了する点について、多くの問合せをいただきました。
そして圧倒的な生産性はもちろんのこと、お客様からは、これはウチでも出来るの?どうやったらできるの?といった反応を多くいただきました。
また別のハイライトとして、今回は若手社員がナレーションに挑戦してみました。確かに、説明がたどたどしい、というお声もありましたが、フレッシュな印象によって、ここでもハイデルベルグの変化を多くのお客様に感じていただけたかと思っております。
J編: 内容がよくわかりました!最後に読者の皆様にメッセージはありますか?
曽篠: すでにこれらの生産革命にお取り組みになっているお客様が、日本にもいらっしゃいます。つまり第四次産業革命が、私たちのいる日本の印刷業界にも間違いなく訪れています。
お客様の生産革命をお手伝いするため、Push to Stopを合言葉にこれからも革新的なイノベーションをお届けしたいと考えております。