おはようございます!
先日、ドイツのハイデルベルグ本社と、ハイデルベルグ・アジアパシフィックより枚葉印刷機の製品部門責任者が来日し、J-Connectではそれぞれのインタビューを掲載させていただきました。それに続き、日本のシートフェッド製品部門責任者を務める曽篠に、枚葉オフセット印刷の未来や日本市場への期待、展望についてインタビューをしてみました。
【関連記事はこちらをクリック】
・【来日インタビュー】 枚葉オフセット印刷の未来とは(ドイツ・ハイデルベルグ/ライナー・ボルフ)
・【来日インタビュー】 枚葉オフセット印刷の未来とは(ハイデルベルグ・アジアパシフィック/ダグラス・ムーニー)
J-Connect編集部(以下J編): ご存じの読者もいらっしゃるかもしれませんが、まずはご自身についてや、主な業務を簡単に伺えますか?
こんにちは、デジタルテクノロジー本部、シートフェッド部門リーダーの曽篠です。
J編: ここ数年、日本のマーケットで感じる変化はどのようなものですか?
これまで、日本の印刷マーケットは、世界的に見ても特異な文化を形成してきました。
不良品の混入や微細なミスが許されず、かつ品質管理は往々にしてクライアント主導であり、俗人的な基準で判断されていたケースも少なくありません。地理・言語・文化的に、これらの独特な文化は長らく日本の印刷マーケットにおける常識となっていましたが、ここ数年で大きく変わりつつあります。
まずは、同じものを同じ量、同じ品質で生産するために必要な時間をいかに削減できるか、つまり効率性を最大化する動きです。
今までは、ミス・ロスを出さないことが優先され、生産性が犠牲になる事が多々ありました。しかし、マーケットからの要求はさらに多様化し、いかに印刷物一枚当たりのコストを削減出来るかが重要になりました。その結果として、Push to Stopをはじめとする、合理的でデータドリブンな生産にお取組みになるお客様が非常に増えています。
J編: デジタルの時代、そして多くのデジタル印刷機が登場している中で、枚葉オフセット印刷機の未来はどのような方向に進むと考えますか?
印刷業界において、プロセスのデジタル化とビジネス分析ツールの重要性はますます加速しています。そして、スピードマスター印刷機のオペレーティングシステムによって、製品のデジタルワークフローへの統合もさらに進化し、使いやすさ、前準備の早さ、高い生産スピードによってオフセット印刷機は、過去のそれとは比較にならないほどの生産性を発揮します。オフセット印刷機が、ロットの大小を問わず極めて高い競争力を備える事により、デジタル印刷機との使い分けにも大きな違いが生じます。
例えば、ハイデルベルグが提唱するOEEという生産性指標や、「コスト・パー・シート」という考え方で見れば、単純に最高回転数でオフセット印刷機とデジタル印刷機を比較するのではなく、それぞれの本来の強みを生かした生産システムが構築可能です。
drupa2016で初めてご紹介したXL106のプラットフォームをベースとするB1インクジェットデジタル印刷機のプライムファイア106は、従来とは全く異なる手法で、さらに多様化するクライアントからの要求に対して、迅速に対応できる能力を備えています。
J編: お客様に向けて、どのようなメッセージがありますか?
時代が変わり、世の中が変わり、クライアントのニーズも変化しています。印刷物を製造する側である私たち印刷業界も変わる必要があります。 さらに加速度的に変化のスピードが増している今、次世代型生産システムの構築にお取組みになっているお客様と、そうでない印刷会社の「常識」の差がどんどん開いていると感じています。今後もハイデルベルグ・ジャパンはお客様とともに、印刷業界における第四次産業革命に取り組んでまいります。