おはようございます!
連載でお届けしております102印刷機のシリーズのうち、6月13日に掲載するも、文章が長くて2回に分けさせていただいた「ジョブチェンジが多い、ショートラン中心のお客様が生産性アップを実現するには?」の続編となります。
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・ジョブチェンジが多い、ショートラン中心のお客様が生産性アップを実現するには?<前編>
前編のお話は、版交換で区切り、版交換装置は半自動で標準装備の“オートプレート”と、全自動のオートプレートプロの2種類から選択できます!ということをお伝えいたしましたので、そこから続きます。
木下: さて、版が取り付けられたのでインキを撒きましょう。PPFデータを選択し、適正なプリセットカーブを当ててつぼの開きを設定してくれますので、ここでもオペレータは時間をかけることなく自動設定です。
前回のつぼの開きデータから、適正値に自動的に調整される“カラーアシスタントプロ”機能があれば、基準値に達するまでの時間も短縮、前準備中の損紙を少なく出来るでしょう。
さてここまで、ジョブ切替時の作業を一つ一つ分けて記入してきましたが、ハイデルベルグの“インテリスタート”は、事前にジョブの情報を入れておいてセットするだけで、必要な作業を効率よく行うためのナビゲーションをしてくれて、オペレータがフィーダやユニットへ移動して作業することなく、遠隔制御装置(色見台)で確認ボタンを押すだけで、印刷機が自動で仕事を進行していきます。
一つ一つの作業のたびに動作を止めて次の場所へ移動して、作業を考えながら行っていては始動のたびに時間がかかります。流れるように効率の良い順番で作動する、それがインテリスタートです。そして、誰が行っても同じように出来る。これは工場の均質化には重要なこと。人が変わったら製品が変わったということを起こさないようにするのがデジタル化、ハイデルベルグ機なのです。
J編: なるほど。人材がより貴重な時代になる中で、欠かせない要素ですね。他に特徴的な機能はありますか?
木下: その他、特徴的な時間削減機能ということで、2つ紹介させてください。“インキつぼフィルム”と、“クリーンスター”です。
まずは、先ほどもジョブ切替えに効果的と説明した“インキつぼフィルム”ですが、インキ量を安定させ、清掃を楽にするという機能だけでなく、インキつぼ自体の汚れや劣化を防ぐ役割も持っています。
J編: インキつぼの隙間にインキが入ってしまったらどうなりますか?
木下: 油性インキは酸化重合して乾燥しますよね。UVインキは光に反応して固まるのです。隙間にインキが入って固まってしまったらどれだけ掃除が大変なことか。この日の帰りだけではなく、数日おき、あるいは数カ月おきに定期清掃とメンテナンスをしなければインキつぼが動かなくなることもあるかもしれません。印刷品質に影響がある、一番の要です。
J編: “クリーンスター”に関してはどうでしょうか。
木下: “クリーンスター”というパウダー除去装置は、工場内に飛散するパウダーの量を極力減らし、回収したパウダーをキャビネットに収めるという、オペレータの清掃を減少させる役割を担います。パウダーを吸うエアによって用紙の流れを乱すことなく最高スピードを保ちますので生産性も上がり、さらに工場の汚れを減らしてくれるクリーンスターも大変オススメです。機械がやってくれることでその分時間を生み出すことが出来、メンテナンスなどの時間に充てたり、残業を減らすことができますよね
J編: 機械でできることは機械にまかせ、人はより重要なことに時間を使えるのですね。
木下: その通り!ショートランに必要な、ジョブ切替えの時間短縮と効率の良さ。ご紹介した機能はいかがですか?実は、もう一つ違うオプションがあるので、最後に紹介させてください。新しく付けられるようになったウォールスクリーンですが、これをつけることによって、インテリスタートがアップグレードし、インテリスタート2になります。
何が違うかと言うと、インテリスタートのナビゲーションが1ジョブ分だけでなく、1シフト分の工程管理まで出来てしまうのです。効率を考えれば、用紙のサイズで小さいものから大きいものへ順番にするとか、色数でまとめるなど、いくつか方法はありますが、それも事前にセットしておけば全て自動で進行していきます。オペレータは間違いが無いかどうか、生産物としてエラーを起こしていないかどうか確認するだけで自動運転が出来るという機能です。
事前セッティングされているジョブがオペレータの考えと違う場合があったら、ウォールスクリーン上でリストになっているジョブと絵柄ビューを見ながら、変更することも出来るので、急な変更などにもすぐに対応出来ますよね。
遠隔制御装置がプレスセンターの印刷機には既にインテリスタートというナビゲーションソフトは搭載されていますが、このインテリスタートよりもさらにタッチポイントを減らしてロス時間を減らし、時間を生み出すことが出来ます。
しかし、注意しなくてはいけないのは、「出来る出来る」といっても、最初から何でもかんでも出来るわけではありません。Push to Stopで稼動させるためのデータを準備しておくこと、事前に必要なセッティングをしておくこと、これが重要なポイントです。これらも、最初は時間がかかるかもしれませんが、情報が集まっていくことで実現できることです。今のままで良いのか?何かを変えなくてはいけないのか?変える必要があるのか?新しい機械を入れるから出来ることではなく、現場の取り組みから変わらなくてはいけないということも認識してくださいね。
※15年前の2004年製CD102-4(インテリスタート無し)、平均2,500枚カラー印刷と、New CD 102(インテリスタート2)で、同じジョブを生産すると、生産時間は30%以上削減、生産量は1.4倍以上になる結果が出ました (当社比計算)
J編: 機械的に作業をカバーする機能がこれだけ進化していれば、仕事替えが多くても心配ありませんね!最後に一言いただけますか?
木下: とにかく、無駄な動きを入れることなくスムーズに作業を進めるようにすることで、ジョブ切替え時のロスタイムをカットしましょう。ストップして発進する一呼吸をしない、つまり「Push to Stop」。これが生産性アップの一番のポイントです。
CD102で時間を生み出しましょう。
Time is MONEY!
J編: ちなみに、実際に導入したお客様の反応などは、どうなんでしょうか?
木下: そう来ると思いました笑!すでに導入いただいたお客様に取材をさせていただいていますので、こちらをご覧ください。
導入事例: 株式会社総北海様